先月末に読書実況という、リアルタイムで読みながら感想を共有しあう配信の方でキッカイ町を取り上げていただきました。
過去にも取り上げていただいていたので、その続きに当たる「怪奇レポート007.本を開くたびずれる栞」から読んでいただたのですが……。
自分で読み返して「なんだこりゃ」ってなる場面、文章が多かったんですよね。
きっと毎週更新の予定に間に合わせるために焦って書いたんだろうな、と思うようなぐちゃぐちゃな文章だったり、言葉が足りないせいでよくわからなくなってしまっているシーンだったり。
そういう部分はちょこちょこっと手直ししてありますが、大きな変更点は一カ所だけですし読者の皆さんに改めて読んでもらわないと今後の話に支障が出るということもないのでxの方でちらっと告知しただけに留めました。
今回の裏話ではその部分も含めてお話していければと思います。
読書実況の際に配信者さんが気にされていたのは|睡《すい》が何者なのかという点でした。
相棒であるリーリエは夢の図書館に繋がる本の挿絵になっているけれど、睡は気が付いたらそこにいましたからね。
本編を最後までご覧の方ならおわかりのはずですが、この話には三体の怪異が出てきていたんですよね。
夢の図書館の司書であり、可愛らしい少女の姿をした本の妖精リーリエ。
リーリエの補助役をしつつ図書館を守る蓮の花の精霊、睡。
そして、彼らが暮らす夢の図書館。
夢の図書館はもともと巨大な洋館の怪異で、他の生き物の生命力を吸って大きな体を維持していました。
そこに獲物をおびき寄せる役をしていたのが睡。
リーリエは睡の匂いに誘われてやってきた無害な存在でした。
リーリエの本が夢を経由して人間の魂を集められることから、洋館は少しずつ姿を変え夢の図書館へと変化していった……――というのがざっくりとした設定でした。
伏木分室の面々にはそのことを知るすべがないので本編中では語ることができませんでしたが、これで実況者さんの疑問への答えにはなるかなぁと思います。
とはいえ、時間切れでまだ半分しか読んでいただけていないのでその方へ直接お知らせできる日はまだ先になりそうです(笑)
そして、一番の変更点になったのがラストシーン。
入院中の香塚さんが夢の中でリーリエに会う場面です。
もとはリーリエと睡が楽しそうにしているハッピーエンドっぽいオチだったのですが、香塚さんが睡の花をむしってるんだから睡は無事なはずないよな? と思ったんです。
そこで、大きな蓮の葉 (睡)に抱かれながら泣き続けるリーリエという少し可哀想なオチになりました。
睡が力を取り戻して花を咲かせるのが何年、何十年先になるかはわかりませんがその日まで二人は一緒にいることでしょう。
その時にまだ夢の図書館が残っているかはわかりませんが……。
最後に。
リーリエはもともと他の方の創作キャラで、蝶モチーフの子でした。
没ネタ供養のための企画をされていたのを見かけて挙手してお借りさせていただいた子です。
そして、その子のために生まれた騎士役が睡。
名前の由来は睡蓮→(順番入れ替え)蓮 睡→(蓮の別名に置き換え)芙蓉 睡です。