プロットの話を他の作者さんのところで見かけたので、過去の初期プロットを一部載せてみようかと思います。
本編では結局違う設定になったりもしていますが、それもまた面白い部分かなと。
「ぎりぎりモーニング」設定
１．基本設定
・タイトル: ぎりぎりモーニング
・ジャンル: ラブコメ風から始まるハートフル群像劇、サスペンス、人間ドラマ
・舞台: 昔ながらのレトロな喫茶店「モーニング・グローリー」
・時間: 毎週「水曜の朝10時」が物語の中心となる時間帯。
・各話: S&Gのアルバムの曲名をタイトルにする。
２．主要登場人物
・マスター
表の顔: 無口で落ち着いた、アフロヘアの喫茶店のマスター。口数は少ないが、人の話を聞くのが得意で、時に的確な助言を与える。モカブレンドを愛用。
裏の顔: かつては冷徹な殺し屋だったが、現在は廃業している。しかし、「水曜の朝10時」という決め事だけは残り、今は恋愛相談やペット捜索など、探偵もどきの依頼を請け負っている。その解決能力は、殺し屋時代に培った観察眼や情報収集能力によるもの。
過去: アルバイトのひよりの母親（元恋人）を深く愛していた。ひよりの父親？を殺めた張本人。その罪を背負い、贖罪の念を抱きながら生きている。アフロヘアは、殺し屋としての過去を隠すためのカモフラージュであると同時に、ある種の心の枷や、自分への罰でもある。
・アルバイト（ひより）:
表の顔: 明るく無邪気な女子大学生。喫茶店でのアルバイトを楽しみ、マスターとの軽妙なやり取りをコミカルに。少しドジで、友達思い。
裏の顔: 父親を殺したらしいマスターへの復讐のため、そして母の死？の真実を追うために喫茶店に潜入した現役の殺し屋。メイド服姿で店に駆け込むのも、任務失敗がきっかけ。マスターの正体は、母親が残したアルバムなどで幼い頃から知っていた。彼女の無邪気さやドジは、全て計算された「演技」である部分と、彼女自身の本質である部分が複雑に混ざり合っている。
過去: 母親はマスターの元恋人であり、彼女自身もまた殺し屋としての才能を持っている（母親の血を引いている、あるいは母親から何らかの訓練を受けていた）
・ひよりの母親（マスターの元恋人）:
マスターが殺し屋であることを知りながらも深く愛していた女性。
「水曜の朝10時」の詩の作者。この詩は、マスターへの愛、彼の危うさを案じる気持ち、そして娘への未来への願いが込められた、物語全体の伏線であり、運命を導く羅針盤となる。
彼女の死の真相や、マスターとの関係の全貌は、物語の終盤で明らかにする。
・森山刑事
外見と雰囲気は清潔感があるが、どこかくたびれたスーツを着こなし、肩の力が抜けたような姿勢で、街に溶け込んでいる。
一見すると頼りなさそうに見えるが、その奥には鋭い観察眼と、一度掴んだら離さない執念を秘めている。
どこか飄々としていて、時に人を食ったような言動もするが、根は真面目で正義感が強い。卓越した洞察力と「違和感」への嗅覚: 長年の刑事としての経験と、独特の勘が非常に鋭い。特に、「普通じゃない」物事や、日常に潜む小さな「ズレ」を嗅ぎ分ける能力に長けている。マスターとひよりの持つ「プロの気配」を、直感的に察知する。
３．物語の構成
導入: ひよりが喫茶店に逃げ込んでくるコミカルなシーンから始まり、愛の多肉植物の恋愛相談を通じて、マスターとひよりの「ゆるい」日常と、それぞれの裏の顔が垣間見える。ひよりがマスターの顔を母のアルバムで知っていたことなど、後のシリアスな展開への伏線が張られる。
連作短編形式: 毎週水曜の朝10時に来店する常連客たちの「探偵もどき」の依頼を解決していく形で物語が進行。各エピソードで、曲名や曲の内容に沿いつつ、マスターの過去の経験や、ひよりの殺し屋としての勘が活かされる。一見バラバラに見えるエピソードが、実はマスターやひよりの目的、あるいは母の詩のテーマと繋がっていることが徐々に示唆される。
裏の攻防: 依頼をこなす中で、マスターとひよりの間で水面下の心理戦が繰り広げられる。互いに相手の力量を測り、目的を探り合う。
詩の役割: 母親が遺した詩のフレーズが、物語の各所で象徴的に用いられ、登場人物の心情や状況、そして運命を暗示する。ひよりは意図的に詩の言葉を口にし、マスターの反応を試す。