あたしの部屋にはベランダに出るための大きな窓と、それとは別の小さなスライド式の窓が付いている。それぞれに立派な雨戸がついていて、しっかりその鍵を閉めている。
だけれど、あたしはその雨戸の鍵をカチャカチャと手で触って鍵が閉まっていることを確認する。ただ、大きな音をたてては一階にいる両親に気付かれてしまうので、出来るだけ音をたてないように何度も繰り返す。
ひとつの窓の施錠を確認したら、もうひとつの窓を。それも確認したら次は岳人の部屋のふたつの窓でも同じことを繰り返す。
しかし、そうすると今度は自分の部屋の窓をしっかり施錠確認が出来たかどうかの記憶が定かではなくなる。不安を胸にしまい込めないあたしはもう一度自分の部屋の窓を確認し、それが終わるともう一度岳人の部屋の窓を確認しに行く。どうしても、最後には岳人の部屋を確認したかったのだ。
不安障害とはこういうものなのだろうか⁉️
~あたしは蝶になりたい 第一話~