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甲羅イカ

大童澄瞳『映像研には手を出すな!』アニメーションを作るさまのマンガなので、動きがどうたら、とかのみが書かれる。読むごとに血管浮き走る。

 舞台となる高校の、ロボット研究会(『RUR』発表以前『未来のイヴ』発行時に設立とか 學天則がどうとか ナイスな設定ですな)とのコラボによるものの際、登場する怪獣

 テッポウガニ カメの「カ」とカニの「ニ」から。四本足。ハサミ状の第一肢を持つ。ハサミを打つことによりキャビテーションによる衝撃波を放つ。水棲。雑食で榛の木の幹(「ムニドプシス・アンダマニカというコシオリエビの一種の食性ですが」といふ説明ないな)やヒシなどを食ふ。全高甲高三mくらゐ、体重六tほど。

 カメは内骨格を外骨格にするといふすさまじい進化を遂げた生き物。

 イカ。内骨格(軟骨だけど)を持つ。カンブリア紀@たぶんもっとも初期の頭足類、ネクトカリスは、当初の標本がaどう見てもエビ系の頭部とb誰がどう見ても魚かなんかの尾部、で構成されてゐたため、甲殻類かなんかの親戚筋で、たぶんカンブリア紀の真ん中辺に絶滅したんぢゃねえかと言はれてゐた(たしか)。

 エンデーイス(絡みつくもの) イカの関係確か。八(触腕はノーカウントなので八本肢)がどうのでセピアがどうたら。で息子がペーレウス(泥まみれのもの)。御父上はスケイローンあるいはスキーローン(傘の意)と言ひ、崖の上にゐて旅人に足を洗はせ、突き落として下のカメさんへ喰はせると言ふ鬼畜なをっさんであった。ロバート・グレーヴス(あうあうあうあうあうあうあうあう)によれば、英雄の死がどうたら(豊饒の英雄は普通冥府のいろいろと仲良くなる程度に死と復活を繰り返すと言ふのが神話のお約束)。

 オウムガイとかアンモナイトとか『未確認少年ゲドー』のオオユウガイとか。鸚鵡貝はくちばしが鸚鵡っぽいからだと思ったが。オラフ・ステープルドン『スターメイカー』では、さう言ふのから進化して知性を持つ船になった人類と言ふのが出てくる。出る穴が左右にあって、右生まれは正しく左生まれがへぼい、と言ふちゃんとしたヒエラルキーがあったのだが、この出生によるヒエラルキーがgdgdになってゆく。あの冒頭の飛行の方法とか、第一発目の異星人の“臭いを基本としたVRシステムで世界を作っちゃってどうのこうの”とかで読者置いてけぼりなハイエストクオリティが、「富士山!あの美しい休火山とそこから流れ出る溶岩のような人民が(多分「地球か、何もかも懐かしい」表現)」見えるまで続く。ううっ。

 頭足類で昆布とかを食べる可能性。ドゥーガル・ディクソンの(ドゥーガロイドと言ふ呼称がどの辺まであれなのかは不明)生き物は、頭足類といふと蛸と光学迷彩のイカレインボースクイド(オプティカルな器官を持つサメさんに住所を特定される)が一種類づつ肉食で、ココナッツを食ふとか、木化地衣類やキノコを食べるとか、植物とか食が多いななんとなく。小川隆章作『アンモの地球生命誌』では、アンモナイトがキノコだか花びらだかを喰ってた。

 どっかで「架空の生き物ってデザインがヒョウタンをデフォにしてるよね説」があった筈であるが、そこで鼻行類の一種(瓢箪状で雌雄ともに人間の胸部にあたるところへDかEカップくらゐの乳房がつく)が挙げられてたが、ウェイン・ダグラス・バーロウの『エイリアンプラネット』で、謎の“ゴードプラント(ゴードツリーだった気がする)”と言ふのが登場するなぁ(原典の『EXPEDITION』は見てゐないが、エイリアンプラネット内ではその生物だけ説明がない)と思ったらマルク・ブレー『驚異の未来生物』のネオフォルビアさんのフォルムも「瓢箪」ぽいな。

 ヤドカリに擬態するトラフコウイカはいいや。

 鯀とか、㝢王と関連する黄熊は、治水関係の功労者の形であるらしい。

 黄熊に関するいろいろ
 実は黄能である 

能は、蹄のある水生の熊である。

 三本足のすっぽんである。

 白川静説では、a水生昆虫らしいb資料には具体的な描写のあるのがなくよくわからないc能の甲骨文字はやどかり系の字に似る(『字統』)。また、熊くまベアーの方が治水、生産のための聖獣(『中国の神話』p74)であった。

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