ちょっとした予告とミニ解説をお届けします〜
『貌は無情なれど、なお情あり』第十五話では、秋音が舞を披露しますよ!
そのために今夜の舞姿の線画を描いてみたのですが、気まぐれで「雀金《じゃくきん》」の紋様を入れてみました〜
実は、私の別作品『転生紅楼夢』にも登場している「雀金裘《じゃくきんきゅう》」。
これは中国古代で黄金と珍禽羽毛《ちんきんうもう》を用いて織られた最高級の織物で、「金包地《きんぽうち》」とも呼ばれ、皇族や富裕層が身につけた特別な衣です。
その製法は、薄く延ばした金を糸にした「金線《きんせん》」や「捻金線《ねんきんせん》」、さらにクジャク(孔雀)の羽根を撚り合わせた糸を組み合わせて織るというもの。仕上がりは金光がゆらめき、まるで羽根そのものが輝いているように見えたといわれています。
隋唐の頃にはすでに高度な技術が存在し、『隋書』には職人・何稠《かちゅう》がペルシャの金糸錦を模倣することに成功したと記録されています。唐代になると宮廷で盛んに用いられ、唐玄宗《とうげんそう》が楊貴妃《ようきひ》と共に「金鳥錦袍《きんちょうきんぽう》」を着た逸話も残っています。
特に重要なのは金糸《きんし》の加工技術です。織金《しょっきん》とは金糸を緯糸として織り込み、布地全体に黄金の光沢を与えるもの。そのためにはまず均一で極めて細い金糸を打ち出す必要があり、これは非常に複雑で高度な手作業でした。
もちろん実物は現存していませんが……今回私が描いた図をご覧いただければ、衣装が完成した際に孔雀の尾の黒いラインがすべて金糸で縫い込まれ、さらに青・緑・紫の羽毛が加わって、どれほど豪奢に輝くのかを想像していただけると思います!
19時07分、ぜひ秋音が「雀金《じゃくきん》」の衣をまとって舞う姿を見に来てくださいね〜
