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拝啓 いつも読んでくださる皆さんへ

昨日、たくさんの方から「中間選考通過おめでとう」と言っていただきました。
色々と思うところがあったので、自分の考えを文章にまとめました。
興味のある方は、ぜひこちらをご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/16818622177072806815/episodes/16818792440235949502

そして私は、これまで明確に外に向けて言ったことのないことを——いや、自分自身にもはっきり言ってこなかったことを——べにさんのコメントをきっかけに、ようやく自分の耳で聞くように言葉にできました。

私は「小説は二年間だけ書く」と決めています。

二年後に結果を出せなければ、もう書かないつもりです。

とても功利的に聞こえるかもしれません。
けれど現実として、家族も夫もずっと私を支えてくれています。
私はいくつもの国を渡り歩き、十年かけて大学や大学院に通いました。けれど卒業後は就職せず、毎日小説の執筆に専念しています。収入はなく、家族の支えに助けられて夢を追っているのです。言い換えれば、家族のお金を使うだけの「役立たず」で、自分の夢を追うためだけに生きるわけです。

誰かに「アルバイトをすればいい」と言われるかもしれません。
でも私を知る人なら、以前は一日に小説をいくつも更新し、18〜20時間パソコンに向かい、睡眠すら十分に取れなかったことを知っているでしょう。
今は連載を一本に絞り、中華風の作品を書きながら、興味を持ってもらえるように絵も描いています。
だからこそ、時間は本当にありません。毎日更新と絵に加えてアルバイトまでこなすのは、到底できることではありません。私は執筆に全力を注ぐしかないのです。

私はときに思います。
他人の愛情に支えられて、自分の理想を追う資格が私にあるのだろうか、と。そう考えると、とても自分勝手に感じてしまうのです。

だからもし二年後に何の成果も出せなければ、私は潔く手放します。

なぜなら、私には大切な家族がいて、彼らに報いる責任があるからです。

私は二年間と決めました。それを恥じるつもりはありません。
私が「みんなのように純粋に書くために書く」のではなく、自分の夢のために全力を尽くすために書いているからです。
年齢的にも、これ以上先に同じ熱量で挑めるかどうかは分かりません。だからこそ、この二年間は毎日を悔いなく、一心に努力します。

夢の追い方は人それぞれで、これが私のやり方です。

そして、私の今後のコンテストへのスタンスは、「結果がなければ、それは意味をなさない。」私はまだ一度も「結果」を手にしたことがありません。

中間選考で見られているのは、筆者の力ではなく、読んでくださる一人ひとりの存在です。
私の力で中間選考を通過できたのではなく、みなさんのおかげで通過できたのです。
だから「おめでとう」と言っていただくのではなく、むしろ私の方が「ありがとう」と言うべきなのです。

そして、最近は気持ちを切り替えました。
私にとっては、一つのコンテストが終わり、一つの小説が終わったら、そこで手放すようにしています。
執筆中は全力で向き合います。どんなことでも試してみるのは、作品と読者に誇りを持って向き合いたいからです。
けれど書き終えたら潔く手放す。それが今の私のやり方です。

私にできるのは、この二年間、自分を律し、努力を続け、また新しい作品に向き合うことだけ。

だから今回の中間選考通過について、私が伝えたい言葉は一つだけです。
「ここまで一緒に歩んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。次の作品でまたお会いしましょう。」

そしてこの二年間で、皆さんに楽しんでいただけて、私自身も胸を張れるような作品を、たくさん書いていけたらと願っています。


敬具
栗パン拝 2025年9月9日

11件のコメント

  • ぼくの目標は、栗パンさんです
  • 栗パンさんの信じる道を、どうか。
    歩んでくださいませ…。

  • 風さん、どうか私を目標にしないでください。
    いくつも学位を取ったのに、何の成果もなく、先生になったわけでもない。
    いろんな国に行ったのに、結局視野はパソコンの中に閉じこもったまま。
    一円も稼げず、いつも自分に変な目標ばかり課して、生活はぐちゃぐちゃです。
    風さんやみんなのように、ちゃんと生活と向き合えてはいません。
    だからこそ、風さんは風さんらしく、優しくて、幸せな日々を送ってほしいです。いつも、ありがとうございます。
  • 栗パンさんのような厳格で崇高な精神を見習いたいです。私は家族を養いつつ趣味で書いているのでそう言える立場ではありません。
    でも、これだけは言えます。
    私はあなたを一人の作家として心から尊敬します。
  • 小海倫さん、この二年間は全力を尽くして真剣に取り組みます。
    長い付き合いになりますが、改めて――どうぞよろしくお願いします。
    本当にありがとうございます。
  • 刹那さん。
    自分の生活を守りながら、さらに趣味として執筆を続けている人は本当にすごいと思います。
    ただ、私にはその力がなく、両立はとても難しいです。
    私は不器用で、もし自分が仕事をして生活していくようになったら、執筆を続けられるかどうか想像もできません。
    私にとって、家にこもって執筆することはわがままで、同時に一番気楽な選択肢なんです。
    食べなくても飲まなくても、何もしなくても、書いてさえいれば私は自由でいられる。

    でも皆さんは、不完全な自由の中で、それでも生活に向き合い、愛や趣味を貫いている。
    だから私は本当に力の足りない人間なんです。

    どうか私のことを作家なんて呼ばないでください。成果を出すまでは、私は何者でもないのです。
  • はい!いいところばっかり、パクろうと思ってます!

    都合いいですけど
  • 遅れながら中間選考おめでとうございます
    2年縛りで集中して執筆されているのですね
    プロとは言わないが本が出せればいいのにと思っている私とは覚悟が違いますねー
    でも、栗やかぼちゃの小説を読んでいると、2年と言わずにもっと気楽に書いてもいいのにと思ったりしますが、栗パンさんが心に決めたことなので応援させていただきます

    結婚されていて、ご家族が支えてくれているのは素晴らしいです
    そういう人は成功されると思います。プロになってください
    どんな国を旅してきたのか、いつかカクヨムで教えていただけたら嬉しいです
  • 晶さん、こんにちは。
    そうですね。私はただ本を出したいだけではなく、プロの作家になりたいと思っています。一生を書き続け、本を出していきたいのです。けれど社会は現実的で、無責任に一生働かず、ただ闇雲に挑戦するわけにはいきません。だからこそ、二年間、朝から晩まで365日×2を本気で努力して、その結果を世に出せるかどうかで、自分が適しているかどうかを判断しようと思っています。シンプルにそれだけです。

    栗やかぼちゃのお話は、実際には私にとって日記のようなもので、小説とは呼んでいません。毎日更新しているわけでもなく、もちろん出版されるものでもありません。

    子どものころは遊ぶのが大好きで、あちこちの国や都市を旅行していました。大人になってから逆に夢を追いたいと思うようになったのは、考えてみれば少しおかしい話かもしれません。でも若いころは無知で、あのときに「作家になる」という夢のためにまっすぐ進めたらよかったのに、と今は思います。

    いつもありがとうございます!
  • たくさんの国を回り、大学を卒業して、夫に支えられながら、一度も、就職したことなく、自分の夢を追う。なんて、素敵な物語だ。それでも、あと2年と、自分を追い込む。厳しいね。しかし、人生の季節で、そう思う気持ち分かる。自ら、ペンは、おかないで
  • 文人さん、こんばんは。
    家族が私をとても大切にしてくれていることは分かっています。夫も青春のころから今までずっと私のそばにいてくれました。けれど、誰かの愛情を無条件に浪費していい人なんていないと思うのです。彼らに私の夢のために代償を払わせる必要はありません。

    無限に他人に頼るわけにはいかない。自分の夢のために代償を払うのは、私自身であるべきです。努力を重ねなければならないし、もし駄目なら駄目だと受け入れて、そこからまたやり直せばいいのです。
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