リベレーターの6章 ”It's My Policy”にてシャロの飲んでいた酒は、ロンサカパの23年物。黒糖のようなコクのある甘さとバニラの香り、樽由来の渋みが絶妙なラム酒である。
この時代に残っているのは本当に奇跡としか言いようの無い酒なのだが、劇中で描写した通り、その大事な酒はシャロの体の一部となってしまったのだった。
今の時代より約三世紀もの先の未来であるこの世界では、合成酒と言うアルコールに様々な物が添加された酒を飲むのが当たり前の時代。
その合成酒と現代で出回っている酒の差は言えば、人類が酒に懸ける情熱を注ぎ込むことによって、現代に流通している酒と大きな違いのないレベルで古い時代の酒の味を再現することに成功している。
とは言え、やはり飲む人が飲めば分かると言う程度には偽物である。
よって古い時代の酒ともなれば、超が三つは付くほどに貴重な物なのだ。
ではシャロはと言うと、こいつは本当に何でも飲む奴だ。
とりあえず上等な酒を探して、近くに何も見つからなければ合成酒でも良いやという、極論を言えば飲めさえすればそれで良いと言う奴である。
だがこの女、舌が肥えているので酒の味が分かる上、しかも量はしっかり飲むという質の悪い奴なのだ。
バレルが一生懸命探して来た貴重な酒を、苦労も知らずにグビグビと飲んでしまうのだから可哀そうというものだろう。
なお劇中で登場する酒が三世紀もの間劣化しないのかと言う疑問に対しては、保存状態が良かったから大丈夫という、素人考えで納得してもらうしかない。
中身の状態も気になる所だが、あの手の酒瓶の寿命って、どれくらい保つものなのだろうか……。どなたか知っていればお教え下さい。
ただコルク等は確実に痛んでいるだろうから、そこらへんは別の栓を用意しているのだと思ってもらえれば幸いです。