今日は仕事で半日外を回ってました。
結構バタバタしてたけど、それが逆に気持ちの切り替えになり、直帰だったので最後の訪問先の後で近くのコメダにて「エミリア……」と「ふわふわ、きらり」を書くと、一気に気持ちがスッキリ!
好きな事って凄いんだね……
そんな感じで心も回復してきたので、お店を出て周囲をブラブラ歩きました。
この場所、私が昔過ごしてた土地だったので。
名古屋でもかなり有名な商店街のある、昔ながらの伝統ある地域。
そこで物心ついた時から中学生になるくらいまで住んでました。
でも……当時はこの場所が大嫌いでした。
記憶の中の私が見ていたこの場所はとにかく「薄暗くて重苦しい所」
ここは、土地柄もあって何となくざっくばらんで「集団の遊びが良い」「男っぽい野生的な風土」「祭りとお酒。時々喧嘩」みたいな感じでした。
そうそう、当時なぜか気まぐれに目に入ってパラパラと読んだ「じゃりんこチエ」が近いかな……
でも、お陰で「じゃりんこチエ」は、嫌な記憶が蘇り、当時の私は1巻の半分で気分悪くなって挫折……
そんな男子も女子もどこか下町の豪快さを持っている、その土地の子供社会の中でハッキリ言って私は浮いてました。
物腰も口調も服装も。
特にバイオリンを習ってて、服が汚れる遊びを嫌がってた私は「気取っている」「見下してる」と言われ、からかいの対象になってました。
見下しても気取ってもなかったのですが……
そのせいか、私をいつもからかってちょっかいかけて来る三人の男子が居て、本当に嫌で嫌で……
その男の子グループの一人にどんないきさつか、無理に家に遊びに行かされた時なんて、拉致監禁されたように感じたほど(笑)
お母様は凄く喜んでくださったけど、私は自分でも分かるくらいに笑顔が引きつってた……すいません(汗)
とにかくモノクロでした。
町並みもどぶ川も沢山の車も、大声を出す男子や大人たちも。
全部が当時の私にはモノクロの景色と、鼻をつく煙の匂いにしか思えませんでした。
だから、郊外の住宅街に引っ越した時は感激したのを覚えてます。
お洒落なカフェや静かな町並み、広い空……
みんな綺麗な服で、音楽や本や勉強の話題ばかり。
天国のように感じました。
もう二度とあんな街には戻らない。
そう心底思ったものです。
そして今。
あれから大人になった私は、そのモノクロームだった街を歩いてる。
もう当時の嫌悪感はない。
灰色だった街の色は、温かみのある優しい色合いと静かな空気を持っている。
当時、押しつぶされそうなくらい高く大きく感じてた建物やお店は、残っている所はどこも拍子抜けするくらいこじんまりとしてる。
あんなにギラギラと……まるで歓楽街みたいに見えたのに……
こんなに静かで、寂しいんだ。
もちろん時代の流れもあるだろうけど、不思議なくらい。
マフィアの巣窟のようにさえ感じていた公園は、携帯ゲーム機を持った子供たちがベンチに座ってるだけ。
小さくて平和な……公園。
深く陰鬱に見えた川は、まだあったけどすっかり干上がってしまい当時の影もない。
拉致監禁されたとさえ感じた意地悪な子の家……とあるお店だったけど、そこはシャッターが降りてた。
ビックリするくらい小さく見える……
この街はこんなに静かで暖かかったんだ。
今の私は下町の飲み屋のどこか淫靡で猥雑な雰囲気も好きです。
大声出しながら話すおじ様方と話すのも楽しい。
そんな場所や人たちが放つ熱量の高さは不思議な刺激をも感じる。
私は変わり、街も変わった。
変わってないものもあるけど、変わったものもある。
色々な事を思い返しながら、充分に休憩しつつ結局二時間ほど歩いた。
そして、当時の意地悪な三人の男の子の事も思い出してました。
今、どうしてるのかな……
今ならきっと楽しく話が出来るような気がする。
きっともう会う事もないんだろうし、私の事なんて忘れてるんだろうけど……