「グッドモーニング、ハヘ子さん」は私にとって、ある種、代表作の一つといえるかもしれません。
というのも、個人的にも好きな作品なのですが、読んで下さった方からの評価がとても良かったのです。

この物語は、ほんの些細なところでヒントを得て始まりました。
通勤途上で、「ハヘ子さん」というあだ名を思いついた。ただ、それだけだったのです。
後は肉付けでした。「ハヘ子さん」のキャラを創作するにあたり、順々に情報と過去を追加していきました。
その中で、どうしても避けられなかったのが、「ある障害」の部分です。
ここを書くためには想像だけでは絶対にいけない、誰かを傷つけてしまうかもしれない、と思い、その障害に関する本をほぼ全て精読しました。いじめについての本も20~30冊くらいは読んだと思います。とにかく、この部分については特に真摯に取り組みたかったのです。
結局、出来上がった本作と「ハヘ子さん」として「リコピン」というキャラクターですが、私なりにじゅうぶん力を尽くした次第です。ですが未熟な部分があり、もし同じ障害をもたれる方を傷つけてしまったとすれば、心から謝罪をいたします。

私はこの資料精読をしていて、「自分にもあてはまる症状がある」と気づきました。
私だけではありません、身の回りの人を想像してみれば、あの人もこの人も、その症状が大なり小なり見られるのです。
そこで私は思いました。「全てが平均的な人間などいない」と。「症状と定義されているものは、個性なのではないか」と。
このタイトルになっている「グッドモーニング、ハヘ子さん」ですが、実はこのタイトルこそが主題をダイレクトに表しています。われながら、素晴らしいタイトルをつけることができたと自負しています。

もしこの物語を最後まで読んで下さる方がいらっしゃいましたら、読後にタイトルの意味を考えてみていただけると嬉しいです。
それは、私がこの物語に対して与えたテーマだったのです。

ハヘ子さん、リコピン、ありがとう。
私はあなたたちを書いていて、本当に楽しかったです。幸せでした。