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「メトロポリタン・ストーリーズ」第7話を投稿しました。

一話完結型の連作SF短編集、「メトロポリタン・ストーリーズ」の第6話を投稿しました。よろしくお願いします。

極地方で年中吹き荒れる、「極渦」と呼ばれる暴風雨。そんな過酷な状況にも、人々は耐えて暮らし続けていた。彼と、仔犬の「ジョイ」も。

第7話 渦の下の二人

 作業を終えて空を見上げると、雲の壁がこちら側へと向かって明らかに膨張し始めているのが目に入る。弱い雨も降り出した。早足で家へと戻ると、モールス放送受信機が発する信号音が、部屋の中から聞こえてきた。警戒段階がレベル3に格上げになったらしい。

 見栄えは悪いが頑丈なログハウスの窓から、彼は嵐が周囲を飲み込んで行く様子を眺めていた。
 視界は横殴りの雨に塗り潰されていたが、今のこの勢いなら作物は無事だろう。その時、視界の隅で何か茶色いものが動いた。動物? 彼は窓ガラスに近付いて目を凝らす。

https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054890611611/episodes/1177354054891118140

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