https://kakuyomu.jp/works/1177354054893049004/episodes/1177354054897709049 長らくお待たせした峠を登りました。
さて、クロはどうするのでしょうか?
彼女のいない世界で、どう生きるのでしょうか?
バットエンドなど壊してしまえ。
「あらすじ」
在る少年がいた。
豚のように飼育され、機械のように命令を受諾して、物ように生きてきた。
まるで、人外の異形種か劣等種。
人の力を飛び越えている才能と力を生まれつき持った最強の少年がその世界には存在していた。
彼が殺人に加担したのは、齢九歳。
「暗殺」という言葉遊びの善行を、政府公認の秘密組織「PARALLEL」に所属していた彼自身はいとも簡単に成し遂げる。無論、彼に感情はない。四歳で両親に捨てられ、弱肉強食の世界で生きてきた彼には常人の心はなく。
「弱いから、死んだのは当たり前」なんて殺すための大義名分(いいわけ)を浮かべ日々過ごしていた。
青年は、今更思う。
その黒々と染まった手を見て。
なぜ、殺しを受諾して、やり続けてきたのかと。
孤児院で言葉も使えない自分を拾ってくれた同い年の少女の優しさに気づけず、表面上の家族として、偽を尽くしてきた。それを自ら感情と呼んで、気遣い生きてきた。
ただ、それは感情でも気持ちでも、ましては心でもない。
「偽」である。
愚の骨頂であり、正義の反対。
そして、悪の象徴。
彼は想像などしていなかった。
人を殺すことがあらゆる人の幸せを壊すことに、いつか自らの身を亡ぼすことになることになどは微塵も思っていなかった。
でもーーその時は、役目のために、知られてしまった秘密のために、彼は少女を殺した。
「ねえ、あなたはどうしたい?」
でも、もしも。
そんな偽りの家族の少女を、偽で埋め尽くして成り立っていた関係を、いつの間にか「守るべきもの」と感じていたとしたら。
心のない少年の心の支えだったとしたら。
錯覚だった感情が現実だったとしたら。
殺した後、元には戻れない。
人生にやり直しなど存在しない。
だけれど。
そんな彼に舞い降りた一本の細い糸。
何百、何千、何万という膨大な死を超えて、彼はその運命(いと)を掴む。
「さようなら」
いつしか聞いた悲しみと嘆きの連続(スパイラル)を彼は破壊(作り直す)ことができるだろうか?
これから始まるのは、手を真っ黒に染め上げた一人ぼっちの少年と運命との戦いのお話。
さあ、生の意味を理解しよう。
この物語はフィクションです。現実の組織、団体とは一切関係がありません。