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「読んでもらえることの喜び」と、「読んでもらいたがること」への気恥ずかしさからの脱却

 こんにちは。
 最近になって、ようやく「コメント返しは 1:1 の関係なんだから、相手さまの名前は必要ないのか」ということに気づいた筆者です。

 でももう「あるいは深層に」についてはもうこのままのスタイルで行こうと思います。
 
 いただいたコメント付き☆レビューにいいねがつけられることを知ったのもつい先日です。

 察しの悪い自分にびっくりです。

 ▽

 コメント返しでいつも書いているセリフではありますが、いつもお読みいただき本当にありがとうございます。
 
 本当にもう、読んでいただけるという事実だけで完全に報われています。
 掛け値無しの本音です。

 ▽

 筆者はあまりランキングにこだわりがあるタイプではありません。
 というか、そもそも「人気出ないだろうなぁ」とわかって書いているというか、それしか書けないというか、そんなタイプです。
 
 読むほうについては、メジャー作品も大好物です。
 
 ファンタジーといえば「アリス」や「オズ」、「ムーミン」「ピッピ」「はてしない物語」「モモ」「霧の向こうの不思議な町」……要するに「青い鳥文庫」だった自分が、いわゆる異世界ものを読むようになったきっかけも、友人に勧められて読んだ超人気作品「無職転生」でした。

 ぼくは人気度はあまり気にしておらず、目について面白そうと思ったものを片っ端から読むタイプです。

 ランキングよりも「新着コメント」や「注目作品」のキャッチフレーズとかを参考にするほうが多いかもしれません。
 
 ですが、自分がファンタジーを書くようになって、カクヨムに投稿するにあたって、はたと困りました。

 え……煽り文(キャッチフレーズ)を自分で考えんの?
 
 ▽
 
 考えてみたら当たり前です。
 誰も考えてなどくれません。
 
 まじかぁ、いつもキャッチで作品の傾向をはかって読んでたけど、あれを自分で考えなきゃいけないのかぁ……。
 
 でもこう……「読んで欲しい」本音を見透かされるようで、すっかり恥ずかしくなってしまいました。
 
 読んでほしいけど、読んで欲しがってることを知られたくない。
 いや、読んでほしがってないならそもそも公開しないわけですが、臆病で小心者な自分としては、なかなか胸の内を晒す勇気が出なかったのです。
 
 だからこう……「深層」でも「探検、冒険、人類未踏破。」みたいなそっけないキャッチにしてみたりして、でもその肝っ玉の小ささに「ああああ」と打ちのめされたりもして、一体何やってんでしょうかね?
 
 ▽
 
 タイトルにしてもそうです。

 カクヨムのトップに居並ぶランキング上位作品は軒並み長文タイトルです。

 次回作に予定していた(何故過去形かはまた別の機会に)「物理法則のアップデートに失敗しました」も、自分なりに長文タイトルっぽくしたつもりだったんですが、人気作は平均してもだいたい3倍くらいの文字量です。

 つーかこれじゃ短文タイトルやん。
 中途半端なことをするほうが恥ずかしいです。

 ▽
 
 読むほうはいいんですよ!
 長編タイトルの面白い作品なんていくらでも思いつきます。

 むしろ、読んでもらえるならそのくらいすべきです。
 
 タイトル=あらすじくらいの感じで。
 煽り文句で「おっ? これはオレ向きかも」と思ってもらえるようなかっこいい一文を載せて。

 これでもか! 喰らえ! これがオレの世界だ! みたいな感じで、威風堂々と自分の世界を「読め」と迫るべきです。
 
 でも、なんだか自分がそれをするのは「読んでほしい」性根を見透かされるみたいで恥ずかしいんですよ!!
 
 あかんねん。自分、小物やさかい!!
 
 いや、普段そんな言葉遣いではありませんが。なんかそんな感じで。
 
 そして「深層」の短いキャッチも「『本音を見透かされされたくない』という本音を見透かされる」ようで恥ずかしい!

 無限ループ!
 怖い!
 誰か助けて!
 
 みなさまはどうやってこの気恥ずかしさを乗り越えたのでしょうか。
 あるいはそもそも気恥ずかしさなどなかったのでしょうか。

 自分の小説を殊更に卑下するつもりはありませんが、こう……なんなんだこの感情!
 邪魔だなぁ! もう!
 
 ▽
 
 でも、そんなアホみたいな小物感たっぷりなキャッチと、実態にそぐわない薄っぺらいあらすじ、わかりにくいタイトルにもかかわらず「あるいは深層に、遙かなる地平を夢見て」は想像の何倍もの読者様に読んでいただけました。
 
 こんな感情に任せて書いた、地味で寒くて痛い小説に、たくさんの♡や☆、コメントにレビューをいただきました。

 地味なら地味なりにここに居ていいんだよと言ってもらえました。
 
 告白します。
 そっけないふりをしてますが、本音は読んで欲しかったです。
 夢が叶って嬉しいです。
 もっともっと読んでほしいです。
 浅ましく欲しがってます。
 
 ▽
 
 というわけで、もう格好つけるのはやめて、読んでほしい心そのままに「読んで!」と言える自分になりたいと思います。
 
 といっても、きっとタイトルも煽り文も相変わらずの感じにしかできないと思いますが、こうして「本当はめちゃくちゃたくさんの人に読んでほしい」という本性を曝け出すことで、この気恥ずかしさから脱却したいと思います。
 
 勇気をありがとうございます。
 みなさんに読んでいただけなければ、きっと次作の煽り文も10文字くらいのそっけない(格好つけた)キャッチになったことでしょう。
 
 ぼくなりに頑張ろうと思います。

7件のコメント

  • > 伊草いずくさま

    いつでもどれだけでもおいでませの気持ちでおはようございます。

    そして拡散ありがとうございます!
    嬉しいです(涙。

    少しでも共感していただけたなら嬉しいです。
    そして「読まれたい」欲求……も……えー、なにとぞよろしくお受け取りください。

    物理アップデートについては、某「ホロウライト」という小説の「せい」で、プロットからやり直し中です。
    バキバキに影響を受けまして、自分なりに「もっと面白くできる!」という手応えを感じまして、明日あたりから着手予定です。

    今日? ひたすら読書の予定です。

    読書体験は大切ですね。
    他にも違う意味で影響を受けた作品がありまして、ただいま別の作品を公開準備中です。

    変な小説ですが、もしよろしければお付き合いくださいませ。
  • 私も面白い話を書く作者さんのレビューを信頼しているようなところがあって、その中で自分のフィーリングと合致するものを手にとることが多いです。

    連載中の『あるいは深層に〜』は完全にジャケ買いでしたけれど。笑
    たくさん並んでる背表紙の中でハッと目について、あらすじとかキャッチとか見て、中身が気になって仕方なくなるという流れ。
    前評判一切なしで、私が本屋でとる行動と全く同じでした。
    キャッチコピーも本作の雰囲気が出ていて良いなあと( ´∀`)bグッ!

    あらすじ調の長タイトル作を否定するつもりは全くありませんが、おおよそ内容が分かったら私は満足してしまうようで(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    程よく探究心を煽られるものに飛びついてしまいます。

    そういえばキャッチコピー自体が伏線や仕掛けになっているものも偶に見かけますね。盛り上がってきたところでキャッチコピーのフレーズが登場して、『キター!キャッチ回収〜!』と読者側がさらに盛り上がっていたり。笑

    作者に意図されたものかはさておき、それも一種のエンターテイメントとして、楽しんだものがちのような雰囲気。

    『深層〜』も新作予定の『物理法則〜』もタイトルにバランスとセンスのよさを感じるんですが……

    とか、あんまり言うと
    ヤメて〜
    恥ずかしい〜
    ってなっちゃうかも知れませんが、私はデグーをナデナデしに来ただけですからねヽ(´エ`)ノ

    あ、そうそう。
    興味はあくまで作品に対してで、作者様には崇敬の念しかありませんからダイジョーブ。偉大な山を遠くから崇める感じ?

    ちなみにエベレストよりK2に主張しすぎないカッコよさを感じます。
    もちろん白いものを被った山は、踏み入らずに遠くから眺めるに限る。
  • 自分が数ある作品からぽちっと開いてみるのは、「んっ?」と思ったタイトルのものが多いです。
    ハイジしかり、ホロウライトしかり、これは何だろうと知りたい心が作品の扉を開きます。
    全部説明してくれているタイトルも親切で良いのですが、ミステリアスに惹かれる心をくすぐられたい。
    だから、興味を持ってもらえるタイトルをバシッとつけたいという願望はあります。ソレ、トテモ、ムズカシイ。

    でも、キャッチコピーを自分で書くんかい!と思った件については、まるっと同意します。えっ、恥ずかしい。ってなりました。

    カイエ様のキャッチ、端的で好きなんですが……。
    世の流れとしては、もっと情熱的に狂おしいものを求められているのかなと思うことはありますよね。
    あるいは深層に完結の暁には、伏字にしろ!くらいの熱量でレビュー書いた方がいいですか?

    読まれたいというお心、確かに受け取りました。
    もっとたくさんの方には貢献できませんが、大切に最後まで拝読させていただきます。
    カクヨムコンを経て、それが自分の「読まれたい読まれ方」なんだなと自覚したところでした。
    これも結構、浅ましい欲しがりだなと恥じらっています。
  • > 蒼翠琥珀さま

    ジャケ買い!?
    そんな風に言っていただけるとは夢にも思いませんでした。
    ありがとうございます! 嬉しいです!

    ああいう超長文のタイトル、あらすじ調って言うんですか?
    すごい勢いですよね。
    先日ランキングでタイトルが「平均3以上」だったことがあって、短いタイトルが一つもないという事実に「時代なのかなぁ」などと思っておりました。

    ぼくもそれを否定するつもりはないのですが、中途半端な長さのタイトルの作品を読んでいただけたこと、とても光栄です。

    キャッチコピーを上手に使っている作品ありますね!
    あとあえて3文字ほどの短いキャッチにするとか、それが端的に作品の雰囲気にあっていたりすると「すげーっ」となります。

    でもって、やめてー! 恥ずかしー! となっております!
    うちのデグーをどうぞ!(すっ

    ところで、エベレストより K2 に惹かれる説、ものすごくあります!
    名前がまずやばいですよね。
    「名前が言えないの人」理論が罷り通ってる……やばい!

    ちなみに本作では大ルドヴィクが落とした L66〈最後の獣〉が K2 のイメージです。
    ちょっとだけ硬派なイメージだったんですが、伝わってたら嬉しいです。
  • > 竹部 月子さま

    まさかハイジのタイトルを褒めていただけるとは思いませんでした。
    公開前、プロット段階では「なんやねんそれ? と思ってもらいたい」という初見さん狙いのタイトルだったのですが、書いているうちにだんだんと自分の中でも大事なタイトルになっていきました。

    ホロウライトみたいに、中身は想像できないけれど、言葉の響きの印象が目に留まる感じ、あります。
    詩的なセンスがないと、ああいうタイトルは思いつかないです。
    羨ましいです。

    キャッチ自分で考えるの、けっこう厳しいですよね?!
    恥ずかしさを共感していただけて嬉しいです。

    でも、喜んでいただけて恐縮ではあるのですが、キャッチはいつも最後まで「これでよかったのだろうか」と考えています。

    でもってもちろん! 伏字が必要な熱量のレビューを頂けたら、寝込むまで喜びます!(子供か
    最後まで読んだ上で、もしお気に召したなら何卒よろしくお願いいたします。
    どうか無理はなさらぬようお願いいたします。

    追伸:
    竹部さまの「泡になって消えた人魚姫、異世界で聖女になる」に残したコメントを修正しています。
    修正しても通知は行かないようなので、こちらにて報告させていただきます。
    理由は書いている通りです。
    うまく配慮できず、申し訳ありませんでした。
  • 度々お邪魔して恐縮ですが、デグーを構いつつの独り言ですからね?

    だって14座と来て〈最後の獣〉なんて、イメージぴったりじゃないですか!
    >名前がまずやばいですよね。
    激しく同感です。
    真名は恐れ多くて、しかし敬称として『K2』と呼ぼう。

    注目が集まる場所はそれだけ情報や対策も増えますが、そこからほんの少し位相差があるだけで途端に厳しさが増す。そんな境地な気がします。だからこそ大ルドヴィクは偉大だとも。

    あ、長文タイトルの『あらすじ調』は勝手に言ってるだけです(ノ´∀`*)
    というわけで、チャオ!

    p.s.
    読んで欲しい気持ちもしかと(σ・∀・)σゲッツ!!
    すでに方方で噂しちまってたけど、伊草さんも共犯っぽいからダイジョウブだきっと。『エクスペリアーマーズ、羞恥心よ去れ〜!』笑
  • > 蒼翠琥珀さま

    どうぞどうぞ、デグーは食べずにいてくれるならいくらでも撫でてやってください 笑

    K2 のエピソードはいちいち激ヤバですねぇ……。
    あと谷川岳の難易度にもビリビリきます。

    > 『エクスペリアーマーズ、羞恥心よ去れ〜!』

    ひょおおおーーー(ディメンター的に消滅)
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