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フリーライター、現実世界に存在しない説

 じゃあどこにいるんだ! ネットかな。

 ネットを通じて会った人以外、同業者に会ったことが一度もない。お水業界にいる女の子に職業を言うと、「はじめて会った!」と必ず言われる。
 知り合いのイラストレーターも、フリーになるというときに周囲にフリーランスを探したらしいが、誰もいなかったそうだ。数年単位で連絡を取っていない僕に、わざわざフリーランスに関する質問をしてくれたのがその証明だろう。

 おいおい、フリーライターさんよぉ! というかフリーランスさんよぉ!
 お前らどこにいるんだよ!

 しかし、その答えは自分自身の中にあった。

 みんな家で仕事してるから、外に出ないんだ。インドア趣味の人も多いし、フリーライターもイラストレーターも元を辿れば「執筆」「お絵描き」というインドア趣味から来ている可能性が高いんだ。
 なるほどね。
 そういうことか。
 僕もあんまり外に出ないもんなあ。たまに寂しくなって外に出てバーに行ったりするけれど、基本外に出ないもんなあ。寂しがり屋なくせに、人と関わらない生活を好むもんなあ……。

 フリーライターは、確かに存在する。
 ただし、ネットの世界に。

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