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【まどにち】「171話 永遠にこない〝いつか〟」を更新しました。

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下に本文がありますが、案の定ネタバレ注意です。

先に最新話を見てからスクロールして下さい。


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いいですか?















はい、そういう訳でして、改めてあの世界が如何に残酷かは察して頂けたかと思います。

もちろん、唐突という訳ではなく、その前提で唖喰という存在の在り方の伏線は張っていました。

その辺りは次回に明かされるので、その時に後回しするとして、なんでそんな設定にしたんだって思う人が多いと思います。

これにもちゃ~んと理由はあります。

ドラクエとかテイルズとか、ああいう魔物の存在する世界で、物語上のラスボスを倒すじゃないですか。

で、めでたしめでたしってなりますけど……よくよく考えると魔物の被害がゼロになった訳じゃないですよね?

もちろん、ラスボスが魔物の発生源だったのなら、魔物はいなくなりますよ。でも、ドラクエでもゾーマがモンスターを生み出してる訳じゃないですし、あくまでゾーマは悪の親玉なですよね?

ゾーマを倒しても相変わらず魔物は日常的に人々の生活を脅かしているためでして……。

そう考えると、戦士や魔法使いといった戦闘職の需要も続く訳です。

冒険者なんて最たる例ですよ。

何が言いたいかと言うと、ああいった世界では魔物との戦いなんて日常茶飯事で、よくあることなんです。

ゴブスレでも同じことを言ってますよね、そう、よくあることなんです。

魔王を倒しても魔物が現れ続ける限り、勇者の戦いはまだ続く訳です。

魔物が絶えず現れ続けて、その中から魔王が生まれて、また勇者が倒す……あれらの世界は言っちゃえばその繰り返しです。

ようは、まどにちの地球だけが特別酷い訳じゃないんです。現に戦いが300年間も続いているのは、〝非日常〟もまた〝日常〟なんです。

まどにちの世界の根底には、まさにそういった事実が付きまとっているのです。

当初は唖喰の親玉を倒して終了と考えてました。でもあくまでまどにちのテーマは日常です。唖喰との戦いも日常なのだとしたら、それに終止符を設けるのは違うと感じたからこそ、あの唖喰が絶滅出来ないという秘密に至ったわけなんです。

鬼、悪魔、と好きに罵ってもらって構いません。でもよ~く考えて下さい。

異世界物で良く見る冒険者……彼らは魔物の討伐をすることで、報酬を対価に治安を守っていますよね?

転生or転移or召喚された俺Tueeeeなチーレムさんが魔王を倒すとします。

その魔王が倒れたことで、その異世界からは魔物が綺麗さっぱりいなくなります。

チーレムさんは女の子達と幸せに暮らす訳ですが、その弊害として冒険者の需要は消滅してしまいます。

当然ですよね、魔物がいないんじゃ報酬を出してまで討伐を依頼する必要がないんですから。

依頼が無くなると冒険者の稼ぎも激減するので、多くの冒険者が無職に近い状態になってしまいます。

もちろん、世の中には盗賊を筆頭に悪どいやつらもいます。指名手配されてるそいつらを捕まえて衛兵につき出せば、懸賞金はもらえます。でもその人数だって限りがあるわけでして、盗賊の規模も小さくなって、やっぱり稼ぎが減ります。

そうなると、お金のない人が盗賊に成り果てる→冒険者が捕まえる→お金もらう→お金のない人が盗賊に成り果てるの無限ループが出来ちゃいます。

さらに平和になったことで、品物の需要と供給にも変化が現れて、武器屋とか赤字確実ですよね。

魔物がいないのに武器を取り扱う意味なんてないですし、護身用に一本あれば十分です。

さて、平和になったことで死者の数が減り、年々の食糧の消費も重なる一方……作物を育てる畑を耕そうにも、土地には限りがある……戦争になるしかないですよね?

魔物という共通の敵がいたからこそ、人は手を取り合うことが出来ていた訳です。その共通の敵がいなくなれば、昨日の友は今日の敵と言わんばかりに争うことしか出来ません。

まどにちだって同じです。
唖喰という共通の敵がいるから、魔導交流演習が出来たり、技術提供をしたり出来てる訳です。

皮肉にも、唖喰がいることで人は一つの目標を共有しているってことです。

以上、長くなってすみませんでした。

唖喰の秘密を知った司がどう動くのか、次回以降の更新をお楽しみ下さい。

ではでは~。

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