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夜のカクヨム甲子園、授賞式および閉会式!

台風が本州を直撃している今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
カクヨム甲子園、無事終了いたしましたね。
若い作家陣たちのほとばしる熱意、大変楽しく拝見しました。

そして、夜のカクヨム甲子園、全力投球、誠に感服いたしました!
多数の力作、本当に胸が熱くなりました。
それでは早速ですが、夜のカクヨム甲子園授賞式を始めたいと思います。

多くの有志が、審査に参加してくださいました。
彼ら、彼女らのお力添えがあって、この企画は成立しました。
この場を借りて、お礼申し上げます。

では、今度こそ発表いたします。


まずは──【夜の見逃し三振賞】
こちらは、カクヨムのレーティングを、意表を突く形で裏切られた作品に贈られます。
該当作は──ありませんでした。


次です。

【夜の沢村(一樹)賞】
先行逃げ切りで、セイ春のリビドーを描ききった作品に、こちらの賞は送られます。

該当作は──全長三百メートルの恋人/連野純也 さま!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883660585

選考者からは、このような選評を頂いております!

・ SFテイスト満載の文章に、しっかり「夜のカクヨム甲子園」が求めるフ●ッキンなセンスを入れ込んでくる技巧は高く評価できます。前半では小惑星探査の作業とフ●ックは単なる見立てのアレゴリーであるように見せておきながら、後半では小惑星生物がそれを本当にフ●ックだと認識していたという展開に繋げるのはお見事でした。
 これ自体は短編だからこそ輝く話だと思いますが、最後の一文が示唆する「別の話」もそれはそれで読んでみたくなる、不思議な余韻のある一作でした。

・ まさにこの賞を一点突破でついてきた感じの意欲作。
短い中に、緩急をつけて読者の心を揺さぶりつつ、的確な下ネタを突っ込んでくるセンスに脱帽である。

※この作品は【夜のファインプレー賞】にも選出されていました。


次です。

【夜のファインプレー賞】
秀逸なテクニックを披露した作品には、こちらの賞が贈られます。
該当作は── よるをあるく/フジムラ さま!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883917898

選考者からは、このような選評を頂いております!

・ 非常に精緻なテクニックによって塗り固められた設定と世界が構築されている。秀逸なテクニックといえば派手派手しいものが思いつくが、この作品は目を瞠るような努力によって、地味で、しかし恐ろしいほどの物語が紡がれている。


次です。

【番外! 夜の釘バット賞!】
我々が殺意を覚えた作品には、この賞をお贈りします。
該当作は── 「夜を歩く」 夏野けい さま!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883661523

選考者からは、このような選評を頂いております!

・ 私の選考基準は「文章が生み出す空気」であった。
その点で「夜を歩く」は特に雰囲気を楽しめる作品であったと言える。

最初の一文に続き、二人の会話にもたらされた静けさが「これから訪れる夜」という空気を生み出している点は非常に評価できる。
前半では夏の七時という暗すぎず明るすぎない独特な時間帯を背景描写でまとめあげ、そこから彼女の姿へと描写は絞られていく。
読者が状況を把握できたところで、じゃあ何を見ればいいのかを、映像の様に流していて読みやすさもよかった。
その後、彼女の心情を吐露させることで大まかな年齢や背負っている事情を把握させるのだが、後ほど二十一歳と明記しているため、その事情の特殊性が少しばかり増すと思う。
ここは読者の汲み取り方にばらつきが生まれるので、早めに提示すべき情報だったと感じた。
そして、最後のセリフで彼女の愛らしさと二人の夜の幸せを醸し出す。
二人に名前はなく、「彼女」にできるだけ視点を絞ることで、特に男性読者の自己投影を促し、非常に心をくすぐる作品だったと思う。

結論をまとめれば、リア充爆発しろ! お前らが歩くのは夜じゃなくてバージンロードだよ!!
そういうわけで、番外! 夜の釘バット賞!を贈りたい。



そして、無条件で面白かった作品に贈られる、栄えある賞──
【夜のホームラン賞】
該当作は──

ジャカジャカジャカジャカジャカ……ジャン!


僕と後輩と深夜2時/蜂郎 さま!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883661632

こちらには、次のような選評が寄せられております!

・ 今回のエントリー作の中で、文句なしに最も面白いと感じた作品です。登場人物二人のキャラクター設定、会話のテンポ、ユーモアセンス、そして「夜のカクヨム甲子園」のテーマに全力で応えようとする姿勢、全てがハイレベルでした。
 何かの弾みで容易く一線を越えてしまいそうな、しかし一線を越えないからこそ逆に価値があるような二人の関係を、いつまでもニヤニヤ・ハラハラと見守っていたくなります。
 「忌憚なき意見が欲しいんだよ!」「現時点で忌憚しかねーよバカ!」という台詞が私は最もお気に入りです。

・ とにかく掛け合いが面白い。元作品に対するリスペクトを感じる。アイエエエエ……こんなの書けないよ……



以上になります!
ここに掲載されなかった作品も、みな渾身の力作でした。
ほんとうに素敵な作品ばかり、この小さな自主企画に参加していただけて、主催者冥利に尽きるというものです。
改めて、御礼申し上げます。
ありがとうございました!


この企画は、そもそもカクヨム甲子園に参加できない方たちにはっ茶けていただこうと思い、企画しました。
そして、多くの作品が、リビドーを発散してくださいました。
重ねて喜びを申し上げます。
最高の夏を、ありがとうございました。

来年も、この企画があるかどうかはわかりません。
しかし、ここで賞を授与されました作品は、文句なしに面白かったと言えるものばかりです。
この企画に、権威は一切ありません。
それでもたくさんの選考者によって選ばれた作品は、胸を張っていただきたいと思います。
ほんとうに感謝です。

それでは、これにて夜のカクヨム甲子園授与式および閉会式を終えようと思います。
繰り返しになりますが皆さん──

ほんとうに、お疲れさまでした!

来年も、ともに青春を謳歌しようぜ!

4件のコメント

  • 企画運営及び選考お疲れさまでした。自主企画とはいえ他者の視線で見て貰うと、いろいろ得るものがあるなと。
    課題として「ストーリーが乱れても話を盛る」「企画意図に意識して寄せる」あたりが見えてきた感じで。
    プロットがカチッと組めるとそれだけで満足してたけど、そこからスタートといいますか。

    Webコン3で! この結果をフィードバックする!
    (実のところ10万文字書くのにあっぷあっぷで、初稿投げっぱなしというのがかなり問題)
  • ほんとうにお疲れさまでした。
    素敵な作品を読ませていただけて、私としてもホクホクです(笑)

    第三回カクヨムコンは、お互いに頑張りましょう。
    改稿を重ねて、よりよいものを!(私ができるとは言っていない)
  • 栄えある夜の沢村(一樹)賞に選んでいただき、ありがとうございます。
    「ドタバタにSF風味が入るんじゃない、SFそのものがドタバタを生み出すのだ」

    ……すみません、今考えました。
    受賞嬉しいっす。企画運営ご苦労様でした。



  • お疲れさまでした!
    参加していただき、本当にうれしく思います!

    ここだけの話ですが、じつは真っ先に賞が決まったのは、連野さんの作品でした。
    素晴らしい物語を読ませていただき、心より御礼申し上げます。
    ありがとうございました!
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