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数値という現実

 さいきん、年を取ったなと思うことが多い。
 しかし、それは感覚的なものが多く、見て見ぬふりや言い訳でごまかす日々である。
 だが、モスキート音、若者にしか聞こえない高音は、わたしに自分の老いを数値で自覚させるやっかいな代物である。
 インターネットで「モスキート音」で検索すれば、自分の耳年齢を測定できる動画が出てくるのだが、きびしい現実を突きつけられた。
 年齢の割には聴こえるほうだが、もはやまったく聴こえない音域が生じている。


 もうすぐ二歳になる猫が急に懐きだした。甘い声で擦り寄ってくる。
 しかし、さほど猫に愛着がないので、彼の愛は報われないのであった。

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