商鞅は激怒した。必ず、かの無知蒙昧のアーサー王を教化しなければならぬと決意した。商鞅には騎士道がわからぬ。商鞅は、秦の宰相である。法を定め、罪人を裁いて暮らして来た。けれどもキャメロットの退廃ぶりに対しては、人一倍に敏感であった。
そんな商鞅のテーマ曲は、布袋寅泰の『キル・ビル』のテーマ曲である。アーサーは、この曲を耳にするたびに寒気がした。なぜなら、商鞅は『ファイブスター物語』の「母ちゃんキック」並びに「ねーちゃんキック」の派生技である「おっさんキック」の使い手(使い足?)であり、アーサー王と円卓の騎士たちはそんな彼を猛烈に恐れていたからだ。
ちなみに日本人では、最上義光がおっさんキックの使い手として知られるが、義光自身はかたくなに「おっさんではない、兄ちゃんと呼べ!」と主張している。その義光がおっさん…じゃなくて、兄ちゃんキックを取得しているからには、当然、妹の義姫も母ちゃんキックを取得している。それゆえにか、彼女の息子である伊達政宗は母親に対して頭が上がらないが、政宗もまた、腹心の片倉小十郎の監督のもとに兄ちゃんキックを取得していた。
「メフィスト、100トンハンマーを用意してくれ」
「な、何をなさるんですか!? 先生〜!」
「ハンク・モーガンをぶっつぶす!!」
「ひえぇ〜!!」
張良の始皇帝暗殺未遂事件かよ。
「ハンクとハインリッヒ、二人の『ヘンリー』どもをまとめてぶっつぶしてくれる」
「衛子…色々な意味で無茶だぞ」
商鞅、ハンク・モーガン、ハインリッヒ・ファウストの天下三分の計はここに成立した。
「こら! 余計な事するな!」
あ、マーリン様じゃありませんか?
「いくら小説を書けないからって、この体たらくは何だ!?」
ヒィ〜、ごめんなさい!