「名乗ること」には、不思議な力があります。
自分の名前を口にするとき、人はほんの少しだけ背筋を伸ばします。
誰かの名前を呼ぶとき、そこに宿るのは、思いやりや、願い、祈りのようなもの。
いま書いている物語『名乗りの一秒』も、そんな「名前の力」をめぐるものです。
事故で夢を絶たれ、声を失いかけた女性が、それでももう一度、
自分の声を誰かのために使いたいと願う――
そんな日々の中で、「名前を呼ぶこと」に込められる希望と、
それを受け取る誰かの物語を描いています。
次回、彼女はある“面接”に臨みます。
新しい人生を、自分の声で始めるために。
よかったら、見届けてください。
