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「雪の女王はもういない」投稿

突然ですが、みなさんは4年前なにをしていたでしょうか。わたしはというと、小説を書きまくってました。書いて、書いて、書きまくっていました。ネットに発表したものもありますし、お蔵入りになったものもあります。2013年に創作をはじめてから今年に至るまでの5年間で、最も多産な時期だったと言っていいでしょう。

ここで発表している「心の重さ」、「ハクチョウ」、「嵐」、「your book ver.0.0」、「わたしがこれから出会う鳥」、「種」の諸作もすべてこの年に書いたものです。Twitterのフォロワーさんに声をかけていただいて、はじめて同人誌に寄稿したのもこの年のことでした。

逆に言うと、翌年2015年以降はめっきりペースが落ちてます。ネタが切れた、というわけではなく、どう書けばいいかわからなくなってしまったのです。書きたいテーマは尽きなかったのですが、それをどう形にすればいいのかわからなかった。

ここからわたしの長い長い模索期間がはじまります。プロットだけは相変わらず考えていたのですが、去年までなら「よし、書こう」となっていたようなものでも「これでいいのか?」と悩むようになり、手が付けられなくなりました。

このときの自分の頭にあったのは「もっといい小説が書きたい」という一点です。具体的には、その作者でしか書きえない何かがあること、知識をうまく利用していること、というのが大きな比重を占めていました。逆に言えば、自分の創作にはそれらが欠けていると思ったのです。

そこからはじまる悪戦苦闘の日々にはこれ以上は触れません。ただ、創作をはじめて年月を経るにつれ、少しずつ気づきはじめたことがありました。それは、「自分らしさなんてものはほっといても宿るものなのではないか? むしろ自然と発露するのが自分らしさではないか?」というものでした。実際、創作をはじめた頃の、2014年の作を読み返してみると、これはこれで自分らしい内容だったのではないかと思えてきます。

案外、捨てたものじゃなかったのかもしれない。遅まきながら気づいたその可能性をあらためて問い直すのが、最近の主な活動となっています。過去作を順次発表しているのもその一環です。

なにせ、当時はブログが主な発表先でしたから、反響なんてそうそうあるものじゃない。読者の反応をあらためて確認して、それから自分が進むべき道を見つけようじゃないかと、そういうことですね。原点回帰と言ってもいいかもしれません。

長い長い前置きになりましたが、「雪の女王はもういない」もそうした作品のひとつです。改稿に改稿を重ねて発表した別作品の初稿、没バージョンという位置づけなんですが、むしろ、こちらのバージョンの方が変に力が入ってなくていいのではないかな、といまになって思います。やはり自然体が一番ということですね。なんでもいいので、気軽に反応いただければ幸いです。

2件のコメント

  • こちらのノートにご返信いただき、ありがとうございました。
    あらためまして、失礼します。

    「雪の女王はもういない」なのですが、戸松さんのこの近況ノートを拝見して、お悩みに共感させられる点もあり、どういう作品を書かれるのかな?と読ませていただいたらツボにはいりまして、軽率に☆を入れさせていただいておりました。

    独創性やオリジナリティの悩みというのは尽きないものですね……。
    ですが、そうですね、その「気づき」は重要なものだと思います。
    私事で恐縮ですが(しかも絵についてなのですが)、わたしの場合、模写をしすぎると自分の絵が無くなってしまうんじゃないか、と悩んでいたとき、父に「みんな猿マネから始めるんだよ」と諭されてふっと気が楽になったことがあります。
    どんなに人の真似をしても、うっかりにじみでてしまうものが個性。
    それでいいんじゃあないでしょうか。
    そんなことを考えます。
  • コメントありがとうございます。

    書き手ならみな通る道でしょうね。回り道してようやく自分の個性に気づく。かといって、自己模倣に陥るのも怖いですが(笑)。ほどほどに肩の力を抜いて楽しんでいきたいです。

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