カクヨムコン短編部門にエントリーしている『still in love』ですが、ありがたいことに、これまで恋愛部門ランキングで2ケタ中盤に位置することができています。
短編部門に限ると5位まで上昇することができました。
これまで応援していただいた皆様に、改めてお礼申し上げます。
ところで、皆様は、皆様はどのようなきっかけで物語を執筆しはじめるのでしょうか?
何となく思いつくものでしょうか?
それともストーリーがあって、そこに合致するような骨組みを作っていくのでしょうか?
私は、テーマが先にあり、そこに物語を付け加えていくように
今回は、需要があるかわかりませんが、この作品がどうやってできあがったか述べていこうと思います。
①タイトルから始まった
スティルインラブ(still in love)ですが、意味としては『今でも愛している』ですね。随分とロマンチックな響きです。
このタイトルがまず頭の中に浮かんだわけですが、思い浮かんだのは11月30日の日曜日。この時期の日曜日は競馬で大きなレースが目白押しなわけですが、その日の私は『競馬って色んな名前の馬がいたなぁ……例えば、スティルインラブとか……』と思考が巡りました。
なんか、タイトルにしたら格好いいな……という流れになり、本作品が誕生することになります。
ラブとあることから、恋愛小説にしようと、ここで決めました。
そう、この作品は競走馬の名前が着想のヒントになっています。
ちなみに、スティルインラブですが、史上二頭目の牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)に輝いた名牝で、ウマ娘にも登場しているようです。
②スティルの意味を考えた
さて、タイトルが決まりました。続いて、ストーリーです。
スティル(still)には、『今でも』や『まだ』といった意味があると思います。
そこで考えました。
『まだ、愛している』とは、どういう状況だろう?と。
過去に何かがあったけど、それでも愛している……ということですよね。では、その『まだ』の理由を考えることにしました。
こういった表現ですから、現在は直接愛することができない状況であることが想像できます。
その理由が『まだ』に該当します。この場合、タイトルの意味を考えると、一般的には悲劇的な状況のほうが読者としては読みやすくなると考えました。
そして、悲劇的な状況を作ろうと考えることになりました。
③悲劇的な状況を考える
恋愛において悲劇的な状況といえば、やはり別れでしょう。
別れる原因は様々ありますが、相手の夢を応援するためといった尊い気持ちから生まれるものもあるかと思いますが、私は迷わず、裏切りによる別れを選択しました。
何故か?
誰かのために自分を犠牲にするような、熱い恋愛経験がないからです……(笑)
さて、これで『相手に裏切られた結果、別れたけど、それでもまだ愛している』という土台が生まれました。
この土台に、さらに設定を盛っていきましょう。
④設定を付け加える
では、どのような設定を付け加えましょうか?
まずは裏切られた背景です。単純な浮気としてはひねりがなく、平凡な物語になりますから、もう少し付け加えます。
そこで考えたのが共依存。
私は以前『ジェミニ』や『スポットライトの影で』といった物語で、自己否定的な題材を取り上げています。
そこには『依存心』という別の側面をはめこんでいて、他者からの評価を欲するような内面、若しくはその評価に怯える側面を描いています。
今回は、そこを双方向で作用させることにしました。
ギミックはどうしましょうか?
考えたのは、最初と最後のシーンをほぼ同じにしてみること。
そのためには読者のミスリードが必要になりますから、叙述トリックを取り入れることにしました。
これで、おおよそのプロットが完成しました。
④いざ執筆
プロットができたので、執筆を開始。
約2,700文字ですが、多分2時間ほどで書けたと思います。
名前を考えるのが苦手なので、キャラクターが『僕』『彼女』『友人』となりましたが……
こうしてできあがったものを推敲し、カクヨムコン短編部門の作品として予約投稿設定し、正午過ぎに正式にエントリーし、現在に至るわけです。
どうでしょう?
参考にならないとは思いますが、私が物語を構築する一つの方法を述べてみました。
この近況ノートを読み、内容が気になった人は、ぜひとも下記リンクから読んでみてください。
そして、星やコメントをいただけると嬉しいです。
『still in love』
↓
https://kakuyomu.jp/works/822139840485470615