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表紙絵 解説

 今作ではメイン級キャラに主色をつけようと少し意識していました。
 暁人君は青で、焜ちゃんは赤。とはいえ本文中では暁人君は黒髪、焜ちゃんは青髪と表記されています。

 私は必ずしも色とは「固定観念にとらわれる必要はない」と思っていて、「認識の埒外にあってもいいんだ」と考えています。

 故に色を塗るときに黒に青を混ぜ、青に赤を混ぜて独特の色を出そうとしたりしました。

 背景にアイビス内素材の金魚を使ったのは、龍は鯉の滝登りによって龍魚になり龍へ至るという思想から、龍の稚魚は金魚のようなものではないか、と考えそうしました。
 暁人君に宿るヤマタノオロチは五行+光、闇、空(くう=無属性と考えてください)の全てを持つ龍神と捉えつつも、民俗学的には水神の慣れはて、動物信仰の象徴だった蛇が、人間の英雄神の前で怪物と成り果てた説=蛇=水神という考えに基づいて、金魚に置き換えたものとなります。

 ヤマタノオロチを五行+アルファ全てを持つのは、水神、爛れ続ける肉体で火、鍛治鍛造の証たる尾の剣=金、山に跨る肉体=地属性、木々を生やす肉体=木と捉えた故のものです。
 光、闇は神であったヤマタノオロチが後の世では怪物となりはてた二面性、空の属性は蛇の抜け殻を意識しています。

 暁人君は才覚や宿った力は最強なんですが、実戦経験自体は一年ほどで、実際のスペックは二等級レベル(完成系は一等級、その上にさらに三つあるので全然最強じゃない)だし、ヤマタノオロチのフルパワーは現状引き出せてません。
 ラストバトルで限定的な覚醒は促しますが、それが定着するのはまだ先、と考えています。

 一方の焜ちゃんは六十七歳で四尾、妖怪になって四十年で四尾なので狐としては破格の才覚ですし、野生上がりの野良妖狐なので実戦経験も豊富です。
 おまけに〈|飯綱操術《いづなそうじゅつ》〉という、霊獣を使役する降霊術と式神術のいいとこどりの術式も持つ上、彼女自身剣士なので非常に優秀な妖怪ですが、当然、上には上がいるのがこの世界。

 今後、どのような異能力(術式)を出そうか、あんなのは? こういうのと激突したらどんな化学反応が起きる? を楽しみに描いていきます。

 その過程でイラストを増やしていければ幸いです。

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