佑佳

大学１年になる真紀は、躓いた弾みで家出少年にコーヒーをぶっ掛けた。そして行く当てもない少年を誘って、二人でぶらぶら大学構内を回っていく。１２月６日、心に傷を負った二人の他愛のない…

　数字の大小で身分が決まる国で奴隷として生きてきた男は、乱心した国王の言葉を聞いて、己を虐げてきた人間達に復讐することを誓った。 　見知らぬ場所で目覚めた男。 　声をかけた派手…

　唯一、私の遊びを否定をしなかった執事のリチャードでさえ、近頃は『そろそろ年頃になるのだから』と思っているんじゃないかしら。そんな視線をヒシヒシと感じる。 　十歳になって、自由…

中学時代に夢見た未来は、現実に呑み込まれて消えてしまった……はずだった。 二十年以上ぶりに再会した俺と俊哉は、少しだけ違う形で、それでもあの頃の夢を叶えることになる。 －－－ …

ビルツ家のサロンは、決まって夜を迎えた図書室で開かれる。 三女にして《じゃじゃ馬娘》ことアンナは、今日も猟師の青年ルーに首ったけ。冬を迎えた図書館で、彼らは今日もチェスに興じるが…

放課後の教室で、都築は私にギターを弾いてくれた。 彼の指が紡ぎ出す音は、私にとっての当たり前だった。 そんな都築に、幸運な話が舞いこんできて……。

平凡な少年、中条　篤志は、休んでいる隣の席の坂本　絢実にお便りを届けるという重大任務を任されてしまう。 それが、不幸の始まりとは知らず……。 俺はただ、委員長に頼まれてこ…

幻霊獣《ホロウビースト》と呼ばれる魔獣が跋扈する現代日本。 家族を幻霊獣《ホロウビースト》に殺された警察官──暮海真一郎は復讐を誓い、魔法犯罪捜査課へと転属する。 彼は同じく心…

　寺に身を寄せていた没落貴族の娘「斎（セイ）」は、そこで年上の「入道の宮」と出会う。彼は親王でありながら、政から遠ざけられやむなく出家した不遇の人だった。 　しかし流行り病で帝や…

フォンテッド卿率いるルーチェとの戦いから数か月。 17歳の誕生日を迎えたアーサーの元へ、彼が兄同然に慕うフランシスの姿が。 フランシスとの再会を喜ぶアーサーだったが、同じ頃時空で…

ぼくが大学生だった頃。 ぼくは、遠く離れた土地に住むなみさんと出会った。 なみさんは、光のようであり、闇のようだった。 彼女からは、夜にさざめく波の匂いが感じられるようだった。

ツイッターで呟いた短文や、 ふと思いついた言葉たち。 頭から溢れて仕方ないものを書き留めるための言葉のアルバム。

【短編】 旅の僧侶は、池のほとりである若者に出会う。青年は二百年に一度咲く、不思議な花の開花を待っているという。 その時、僧侶は知らなかった。若者とまぼろしの花にまつわる、悲し…

この度、カクヨム小説3000作品を読了したので、二作目の長編小説を書くことにいたしました。 3000作品を読んで感じた「長編小説」への気付きと、二作目の長編小説へのフィードバック…

ショコラティエの匠とピアニストの響子。 バレンタイン。 甘いショコラかピターなショコラか、 それは読者様次第。 バレンタインまでに完結しました。締め切り守った！ 後日談（ホ…

学校で、いつものんびりとした楽しい時間を過ごしている、あきらと進。 だけどあきらは知っている。 進をとりまく環境を。そして、進があきらに対して『気にしていること』を。 それは、進…

記憶をなくして森をさまよっていた私を救ってくれたのは、錬金術師のおじいちゃんだった。 必死で勉強して、必死で修行して、錬金術師になった拍子に階段から転げ落ちた私は前世の記憶を取…

2022/12/23　KADOKAWAメディアワークス文庫より発売！ （書籍版タイトル：『月華の恋　乙女は孤高の月に愛される』） ※こちらは加筆改稿前の旧版です。よりパワーアップ…

花乃子（かのこ）は32歳のOL。 ある夜、路地裏の不思議な店に誘われるように入る。そこで見知らぬ男が、花乃子のテーブルにやってきて、知り合いであるかのように振る舞う。

貧しい百姓だった信三郎は、上京し、新撰組に心を奪われ入隊をする。 しかし、二回目の見廻りで薩摩の不逞浪士と相対することになってしまい……。 　　 ※創作です。実在していた…

“果ての図書館”。それは、全ての本が行きつく場所。そして、迷いを抱える者を惹きつける場所。 其処へ迷える者の影が、また一つ――。 香鳴裕人様の企画「同題異話SR -June-」…

一年中氷と雪に閉ざされ、春が来ない島国グラスリード。 王女のティアは療養のため滞在していた別荘地で裏切りに遭い、海に突き落とされてしまう。 しかし目が覚めたら、キリアと名乗る吸…

調香師で年下のギルベルトと、数ヶ月前にやっと両思いになったニーナ。 彼の姉でありニーナの親友でもあるカタリナは、弟ギルベルトについて「意外と嫉妬深い」と言うが、ニーナは長年の恋を…

魔術師。その肩書きを持つ者は現代にも存在していた――。 人知れずひそむ、異常現象を振り撒く書物・魔導書から人々を守る魔導書管理局。そこに勤務する魔術師――花菱エリはある日、差出人…

背中に翼の生える奇病『天使病』の少女アンは冷血で有名な女医ドロテアに夢中。 しかしドロテアはアンを殺すために彼女に接近していてー・・・？ 奇病×百合企画参加作品！ 天使のような…

※グロ注意。苦手な方はブラバを推奨※ 何もしてないのに体に傷や痣がつく奇病を患っている、霞。 そんな霞だが、性格は明るく友人も多い。 だけど、霞は知らない。 その奇病は、ある因…

カクヨムコン6短編小説部門【佳作】受賞作 中学三年生の優斗は、夏休みの前日に二週間前から学校を休んでいる幼馴染の家に課題を届けに行く。 彼女の部屋に案内された優斗は、彼女の右腕…

毒は毒でも、それはきっと蕩けるような甘い毒。 自主企画の同一タイトルで一本書いてみよう大会！への参加作品です。 https://kakuyomu.jp/user_even…

望まない結婚から逃げるために屋敷を抜け出し、恋人の待つイルブークの町を目指す。 ガタゴトと揺られる馬車の荷台から見る朝日は、とても……とても美しかった。 舞台は架空の町なんです…

悪いことは重なるもので。 いつも運転してくれる先輩の突然の欠勤。慣れない運転。事故による交通渋滞。 カーナビ通りに来たのに、どうしてこんな山奥の細い道で立ち往生してるの？ 細い道…

とある祭りを、僕は桔梗と訪れていた。 団子を食べながらお茶を飲み、そして桔梗は言った。 「そろそろ時間だ」 KAC2020。1800文字ほどの短編です。 お題【最高のお祭…

四年に一度、男は雪深い雑木林の奥へと足を運ぶ。 そこには見たこともない小さな赤い花が、四年ごとに形を成して咲いていた。 KAC2020に参加してみました。ミステリーを目指して…

いつも通る道から見える屋敷の二階、そこに佇む美しいあの方の姿。 名家の長男を慕うひとりの少女に届いたのは、恋い焦がれるあの方からの秘密の手紙だった。 約3000文字ほどの短編で…

校庭に現れたミステリーサークル。 灰色の瞳をした美しい転校生。 「俺、あんたのことを絶対好きになんてならないから」 一体、何が起こっているのだろう。

感情で動いたほうが、上手くいくこともある。 かもしれない。

　黄昏珈琲という店をご存知だろうか。 　黄昏時、つまり夕刻、日が傾き、東の空が赤く染まっている時間のみ営業している珈琲店であり、ごく限られた波長が合う者にしか訪れることができない…

アーデルランド国、東部イル師団第九箒兵大隊。 ここに日々昇進を狙って魔物討伐に勤しむ俺様男がいる。 ミカゲ・クシードル、色々難有りのこの男が、数年来別れていた幼馴染に再会するとこ…

初心者が俳句を上げていくコーナーです。 細かいルールなど、分からないところがありますので、指摘等ありましたら、是非ともよろしくお願いします。 一句ごとに自分が句に込めた情景を説明…

玄関から彼女の部屋まで５M。 僕は彼女との出会いを思い返す——————。 カリプトラ 様の、【短編書下ろし企画『5mの可能性』】の企画に参加するために書き下ろした短編です。 …

僕、如月優太には好きな人がいる。 勇気を出して夏祭りに誘ったのだけれど、呆気なく断られてしまった。 意気消沈して一人うだうだ塞ぎ込んでいたら、突然彼女が訪ねてきた！ 断られた…

これが最後の手紙になるでしょう―― 四年に一度、故郷の「あなた」に向けて手紙を綴ってきた「わたし」 その手紙を遡ることで見えてくる夢と約束の軌跡とは。

父の書斎から黄ばんだ手紙が出てきた。

私は、夢を叶えることの大変さを知っている。 努力することの大切さを知っている。 挫折することの辛さを知っている。 夢を見る楽しさを知っている。 だからこそ、私は君に夢を届けよう…

きものをマニアックかつ現代風に愛する女子のモノローグ。 ひたすらきものフリークな話、かつ、淡く生まれた思いと縁。

1910年、オーストリア皇后エリザベートが殺害されてから12年。 彼女を殺害した罪で終身刑の判決を受けた被告人ルイジ＝ルキーニがその胸中を語る。エリザベートを殺した動機とは？ …

森林豊かな小国、リパロヴィナ。 そこに生まれ育ったウェスリー・ポーターは、この春魔法大学を首席で卒業した。 自身は魔法術の研究を生業としていくつもりであったが、唐突な父親の指図に…

企画に出していたものや、さっくり読める短編・ＳＳをこちらに。 ぬるーく、ホラー要素やグロ要素があったりします。 レイティングを入れるほどではないとは思いますが、苦手な方…

埼玉に引っ越すことになった高校生チカは、新幹線の車中で鳥類図鑑を持った男の子に出会う。新生活への不安を抱く彼女が、男の子とのしりとりで見いだすものとは。別所からの再々掲です。 …

霊が見える少女、花田明日香。 教室の地縛霊、百瀬茜。 これは、そんな二人の淡々とした日常を綴った物語。

ショコラティエの匠がある日受け取った、お得意さんの息子さんからのとある注文書。 これに頭を悩ます匠と、お向かいに住むピアニストの響子。 さて、二人は「注文書」の謎を解けるのでし…