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【更新】『デヴァイン・シンフォニア』第四章3-2「(作者の)戦略的ミスと戦術的悪あがき。そして腹の探り合い……」

『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
  https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517
 第四章 動乱の居城より

  3.居城に集いし者たち-2

 を、明日、土曜日、朝7時ごろ更新します。
 よろしくお願いします。

※第四章は、毎週土曜日朝7時ごろ、定期更新です。
 近況ノートは、朝寝坊してもいいように(すみません)、前日に上げておきます。


 前回の冒頭、少しいつもと違う、とのご指摘をいただきました。
 読み直してみて、確かに、と納得しました。
 そんなわけで、ほんの少しですが修正しました。
 分かりやすく、面白くなったら良いのですが……。

 修正の主な理由は、「場面転換のつなぎ」。
 前回の旧稿は、唐突過ぎました。すみません。
 私は比較的、毎回のエピソードの初めに情景描写を入れるんですよね。本作はややこしい話なので、少しでも分かりやすくなるように、冒頭(=読み始め)で状況の確認をしている(つもり)なんです。
 ご指摘の箇所には、それがなかったのでした。すみません……。(しかも、前回とはまったく違う場所からのスタートでした)


 以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます。
 本編のあとにお読みください)











 制作ノート「(作者の)戦略的ミスと戦術的悪あがき。そして腹の探り合い……」

 エルファン登場です。
 イーレオの長子、リュイセンの父、ルイフォンにとっては異母兄にあたる、次期総帥です。

 今まで、名前と電話越しの会話程度でしか出てこなかった、この人が、まさか主要人物のように登場する日が来るとは、誰も期待していなかったことでしょう。前回登場のハオリュウも然り。
 ハオリュウにしろ、エルファンにしろ、第一章のほぼ初めのエピソードあたりで、名前と存在は明らかにしてあるのですが、誰も注目していませんでしたよね……。

 やはり読者というのは、主役級の登場人物に注目するものだと思います。
 ハッキリ言いましょう。

「主人公の異母兄と、ヒロインの異母弟が、バトルしたところで、誰も面白くない!」
(しかも「バトル」というのは、腹の探り合い)

 早くルイフォンとメイシアを屋敷に到着させろと、思われているのではないかと、思います。
 せめて、ミンウェイとシュアンの「手を組むか否か」の結論か、偽警察隊員たちに囲まれているイーレオの様子を出せと……。

 いきなり登場した、超脇役(現在のところでは、そうにしかならない)【同士】の対決を読まされて、何を楽しめというのだ!? と、言われると思います。
【同士】というのがポイント(?)で、これが、ミンウェイとシュアンなら、ミンウェイのほうには馴染みがありますし、執務室の状況ならイーレオの動向に注目できます。

 それなのに、エルファンとハオリュウなんです。たぶん、名前すら、まだ覚えてもらえていないふたりです。
 知らない人物がアレコレしても、読者は面白くないんです。思い入れがないから。

 ……ひょっとして、この構成、まずかったんじゃん……?

 ――ということに気づいたのは、随分とあとになってからでした。
 この件、完全に私の戦略的ミスでした。この構成にするべきではありませんでした。
 主人公ふたりの兄弟が火花を散らす、という構図は面白いではないか、と安易に考えたのが良くなかった。けれど、今更、変える気にはなりません。

 かくなる上は、この対決が必要であることを前提として、「どうしたら面白くなるか」。それぞれ、どんな戦術を使ってくるのか、バトル(じゃなくて、腹の探り合いとか、舌戦とか、口論とか、そういう類のものですね……)そのものの面白さを考えました。
 まずは、このふたり、それぞれの魅力をアピールです。

 一番こだわったのは、ハオリュウのキャラクター。「メイシアの異母弟」という言葉のイメージを覆すような人物を考えました。作中で、一、二を争う「尖った」キャラクターです。このくらいでないと、周りの大人たちに太刀打ちできません。
 ここで、脇役から主要キャラクターへのステップアップを試みました。
 
 彼の戦闘能力は、ほぼ0です。彼は人を使うことで戦います。
 しかも、純粋な力の強弱ではなく、立場の強弱を巧みに利用します。「属性によって有利不利が決まるようなカードゲーム」を彼にやらせたら、ピカイチでしょう。彼を書くたびに私の心が荒んでいくのを感じました……。
 彼を「嫌なガキ」で終わらせないために、シスコンもアピールです。

 そしてエルファン。
 ハオリュウに簡単にしてやられるような大人だったら楽でした。しかし、それでは父イーレオと息子リュイセンの名に傷がつきます。エルファンもまた、それなりの人物でないといけません。
 ハオリュウを格好良く見せつつ、その更に上を行く、というのが、エルファンを書くための必須条件。大人であるエルファンは、決してハオリュウに負けるわけにはいきません。

 このふたりの対決は、次話に続きます。
 面白いと言ってもらえるといいなぁ……。

2件のコメント

  • 今回もまた読み応えありました!
    ノートに書いてある内容を読んだ上ですが、エルファンの迫力ある登場とハオリュウの堂々たる感じは、すごく読み応えがあってしっかりと楽しめました。またエルファンの目からの改めての全体を俯瞰した状況説明もすごく効果的だったと思いました。
    そして改めて思うのは、オジサンキャラがでてくるとその雰囲気だけで若者キャラを軽々と上回っていきますね。これは月ノ瀬さんの好みを反映してのモノかも?なんて思いました。
    しかしいろんな世代の、それこそ老若男女が入り乱れてのドラマになっているとすごく厚みが増していく感じがしますね。
    今回の章はそう言った意味でもとても読み応えのあるエピソードでした。構成もよかったし、しっかりと楽しめました。
    ということでまた!
    来週の続きが楽しみです。
  • 関川さん
     コメントありがとうございます。
     オジサンキャラ(オジサンにかぎらず、年長者キャラは、かな?)は、ちゃんと言動で、その年齢らしさが出ていないと格好悪いと思うのです。そのあたりに、ばっちり理想が入っている気がします。関川さん、鋭いです。
     この作品は、登場人物の年齢に、かなりばらつきがあると思います。そのあたりを上手く書いていきたいと思っています。年齢を数字で書けば、たしかにその歳のキャラクターになるのですが、言動から年相応にみせたいのです。
    (イーレオとエルファンでは、父であるイーレオのほうが当然、年上なのですが、性格的にイーレオのほうが若く感じられがちだと思います。そこを、たまの言動でなんとか、とか……。苦労しています)
     年長者が多いんですよね。年齢が高いということは、それだけ長い「過去」を持っているわけで書くのが難しい! 反面、面白いですけどね。
     若いハオリュウも、彼は彼で、若さゆえに、肩の力が入りまくった人物になりました。少年らしい、一本気なところを書けたら良いと思っています。(他は年長者ばかりなので、可愛くないのです!)

     エルファンが冷めた目で全体を見ている、は意識していました。気づいていただけて嬉しいです。渦中にいるメイシアにとっては大事件なのですが、一歩離れると、大したことがないんですね。

     構成をよかったと言っていただけて良かったです。この次はもう少し考えよう……。(実は、数日前、いま執筆中の箇所の前後を入れ替えていました。一度でビシっと決められない。まだまだ、ですね)

     いつもありがとうございます!
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