「ライブお疲れ様~!」
霜夜宅にて、ライブの打ち上げが行われていた。
テーブルにはカセットコンロ、その上には鍋。グツグツと音を立てるその正体は、何を隠そうすき焼きだった。
鍋を囲む<Chandelier>メンバー。そしてそれをチャンスと言わんばかりに、さくなは箸を置いてパシャリ。
緋は大人しく膝に手を置いて、蒼がお椀の卵をかき混ぜ、そしてよそうのを待っていた。
「はい緋。あーん」
「あーん」
緋は蒼が差し出す牛肉を口に入れる。
「美味しい?」
「おいしい。蒼好き」
「私も好き」
そんなイチャラブを繰り広げるバカップルを見た黎はジト目で苦笑い。
「ナチュラルにイチャイチャしてる……」
「いいじゃないですか。これもインスタに上げちゃいたいですね」
さくなは緋と蒼の様子を写真に収めると、撮れた写真を見て笑った。
「そんな勝手に…」
「冗談ですよ。まあ、本人たちがいいと言えば即上げますが」
「おふたりの愛は見世物ではないんですよ……」
「分かってますけど、温かくて幸せな空間を共有したいじゃないですか」
「まあ……それはそうですけど」
「──お肉もらいっ」
緋はおかわりを求めて鍋の牛肉に箸を伸ばす。それも、今まさに碧が狙っていた所を奪い去る。
「あっ、こら緋!あたしが取ろうとしてたとこなのに!わざとでしょ!?」
「さーてどうでしょ?」
「こいつ…!」
「緋、私の食べる?」
「有難いけど、蒼もお肉食べたくない?」
「私はいいのよ。貴女の幸せが第一」
「ありがと。じゃ、そんな優しい蒼にお礼のお肉をあげよう」
「あら、いいの?」
「いいの。はいあーん」
「あーん」
「仲良く食べさせ合いっこしてる……」
「いつものことですよ」
……To be continued
…本編でやれ?というお声があれば今後のお話しへの移植を視野に入れましょう。