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07-25M ケイマン軍戦闘序列

ケイマン軍 戦闘序列

ガーベラ会戦に参加したケイマン軍を示す。
ケイマン軍は、上記以外にも帝国内に多くの部隊を分派しているが、主力は上記の部隊となる。
約一千人で構成される正規大隊だけでも一二〇を超えており、総兵力は十五万に近い。
四個軍団と総司令部直属部隊に編成されている。

総司令部直属部隊と第一から第三までの軍団は、ケイマン・オライダイが数年前から本国で錬成していた精鋭である。
遊牧民であるケイマン族は、従来は騎兵を中心とした軍隊であったが、オライダイは歩兵中心に再編成している。
この軍隊は、フロンクハイトの魔導部隊の援護は得ている物の、ギガウオック要塞やゴルデッジ市の攻略に成功している。
これは、従来の騎兵中心のケイマン軍では成し得なかった成果である。

第一から第三までの軍隊の内、特に第一軍団は、純粋に『ケイマン族』だけで編成された部隊である。
その二個師団の各連隊の第一歩兵大隊は、全ての兵士がプレートメールを装着した重装歩兵大隊。
これだけの数の重装歩兵を揃えた例はカナン史上でも例が無い。
その突撃力は比類なく、要塞攻略戦、そして対ゴルデッジ侯爵戦では決定的な役割を担った。
オライダイはこの重装部隊の編成に国費の七割を費やしたとされ、その意味でも今回の帝国侵攻はオライダイにとって負けられない戦いとなっている。

第二第三軍団は、ケイマン族領内に居住するケイマン族以外の部族を含む。
第三軍団はケイマン族以外の部族が多数派である。

第一から第三までの六個師団は、元はそれぞれの師団に騎兵一個大隊があったが、帝国内侵攻後、馬匹の消耗が激しく、残った馬匹を騎兵軍団に集めたため、各師団一個騎兵大隊から、各軍団一個騎兵大隊(二個師団に一個騎兵大隊)に半減されている。



第四軍団は、今回の帝国侵攻が決定されてから急遽編成された補助軍団である。
ケイマン領内で三個師団、第十一~十三が編成されたが、帝国内侵攻後の消耗と、大隊単位で各地に分派されたこともあり、第十三師団は解体された。
代わりに、第十三師団の基幹兵(下級士官・下士官)の統率下に帝国内で徴募された牙族兵士により編成されたのが第二〇一歩兵師団である。
なお、第四軍団はヘロン川西岸、第二〇一歩兵師団はメハン川東岸に配置されており、十一月九日の本戦には、ほぼ参加していない。



ケイマン軍総司令部直属には、二個の騎兵旅団と三個の親衛大隊、そして、フロンクハイトの魔導二個大隊がある。
騎兵旅団は、九月十月にキョウスケらと戦った第三騎兵旅団とほぼ同じ編成である。
第三騎兵旅団はラト族主体であったが、第一騎兵旅団はほぼケイマン族だけ、第二騎兵旅団もケイマン族主体で編成されている。
ケイマン軍が歩兵中心に再編成された際に、騎乗技術に特に秀でた者だけが騎兵旅団に残された経緯があり、その戦闘力は極めて高い。
十一月八日の前哨戦では、第一騎兵旅団が帝国軍カゲサト旅団を一蹴している。
これは、カゲサト旅団の質があまりにも低かった結果ではあるが、本来不利とされる陣地に籠る歩兵への騎兵突撃を躊躇なく決行できるだけの練度と技術、そして誇りを持った部隊である。



親衛三個大隊は、第一親衛歩兵大隊、第二親衛歩兵大隊、親衛騎兵大隊の三個からなる。
第一親衛歩兵大隊は、第一軍団に配置された物と同じ、重装歩兵大隊である。
重装歩兵大隊でも精鋭が集められており、自他ともに認めるケイマン軍最強大隊である。
第二親衛大隊は、重装歩兵である第一親衛大隊の機動力の低さを補う意味もあって、通常の皮鎧装備の歩兵大隊である。
特に、機動力に優れた兵士で構成され、山岳戦など平地以外での戦いで真価を発揮する。
ケイマン軍と帝国第二軍との戦いで、敵前渡河の先頭を担い、第二軍司令部に突入したのがこの大隊である。

親衛騎兵大隊は、ケイマン軍唯一の重装騎兵大隊である。
人馬共にプレートメールを装備した突進力は驚異的であり、ゴルデッジ侯爵軍との戦いでは、この大隊の突撃により、侯爵軍司令部が崩壊している。
第一親衛歩兵大隊とは、ケイマン軍最強大隊の座を巡っていがみ合う間柄でもある。
ちなみに、帝国軍で最も多く騎兵に力を入れているベーグム師団でも、重装騎兵は一個中隊に満たない。



フロンクハイトの魔導二個大隊は、フロンクハイト本国から派遣された部隊である。
その人員は、フロンクハイト魔導士として最上位ではないが、一部強制された者もいるが、基本的にフロンクハイト国外に遠征する気概を持った魔導士により構成されている。
大隊を率いるのは、ウルホ・アハティサーリ、マウロ・ハロネンの両枢機卿であり、中隊長、そして大隊長側近には上級以上の魔導士も多数含まれる。
二個大隊ではあるが、現状、フロンクハイトが国外に派遣できる最大限の軍隊である。

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