――五年が経った。
感染者が支配する社会《アマツ》。
理性が絶対とされ、感情は“病”と呼ばれる時代。
玲司は名を捨て、感染者登録済みの医師“レン・カミヤ”として生きていた。
そして再会する――“特級安定個体・紗世”。
二人の視線が交わるとき、灰色の街が揺らぎ始める。
一方、地下では柚月率いる《LUCIFER》が動き出す。
都市中枢AI《X-0》が発動する“第二段階”――
共鳴領域《The Expansion》が、静寂の中で始まろうとしていた。
> 「進化の先にあったのは、再び分断された人類だった。」
灰の街に、再び“声”が響く。
それは理性の支配か――それとも、失われた人の心か。
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