【閉鎖空間からの脱出】
北高1年生のあなたたちがこっそり学校で肝試しをしていると、何やら不思議な感覚が。気味が悪くなって校外に出ようとすると……なんと学校の敷地から外に出られない! 不思議な色をした巨人があたりを徘徊する。と、そこにうすぼんやりした赤い玉がやってくる。
驚くあなたたちに玉が語りかけてくる。
「おや? あなたたちは……ふむ。肝試しを、ですか。不思議なこともあるものです。もしかすると、『不思議なものを探す』という理念に、『彼女』が共感したのかも……? いや、今はその詮索をしている時ではありませんね。僕は――能力――この世界――続を――」
玉はかき消えてしまう。しかしそこには小さな鍵が残されている。
あなたたちはその鍵に、[文芸部室]のタグがついていることに気づき、文芸部室に向かう。
文芸部室はすっかり【異界】と化している。
ところどころに不思議な文字や模様が浮かんでいる。
窓の外の巨人たちは、半ば呆けたように動かないが――
<<一時間もすれば動き出し、この後者を破壊しそうにも思える>>
そうなってしまっては、もとの世界に戻ることは難しいだろう。
あなたたちはそれが<<わかってしまう>>。
あなたたちはとにかく、その文字や模様が意味するものを解き明かそうとする――
最初の小謎群を解くと、再び赤い玉が現れる。
「助かりました。あなたたちのおかげで、『この世界』と『僕たちの世界』のリンクが取り戻されつつあるようです。おかげで、仲間の力を借り、不完全ではありますが、僕もこうしてこの『この世界』に侵入することができました。しかし――僕にはこれ以上何もできそうにありません。あなたたちにお願いがあります。僕たちの――そうですね、仲間の一人が、このPCにアクセスをしたいと言っています。アクセス方法はこのしおりに描かれています。残念ながら、TF――いえ、仲間は、通常の方法で情報を伝達できないと言っていましたが――あなたたちにはきっとわかるはずです。どうか、お願いします」
しおりの暗号を解く。PCの『ロック』を解除し、スイッチを押すが――PCは起動しない。それもそのはず、この世界には電力が供給されていない!
慌てるあなたたち。時間はもう、あとわずかしかない――
と、あなたたちの一人が、謎解き中に使った本や家具、道具を組み合わせて、『北高には非常用の電源装置があること』『その部屋は旧校舎内にあること』『その部屋への侵入方法があること』を見出す。
タイムアップまではあとわずか! 全員で力を合わせて、非常用電源を起動すると――
ごう、と音が鳴って、校舎が崩落する音がする。
間に合わなかったか! とあなたたちは落胆する。
あなたたちは、壁に空いた穴から外を見る。
暗くて良く分からないが、そこには男女らしき人影がある。
その人影の距離がゆっくりと近づいて行って――
ぱり、と空が割れる。校舎が音もなく復元されていく。ちょっとしたスペクタクルのような光景をあなたたちは茫然と眺める。
そこに、美形の少年が現れて、あなたたちに大仰にお礼を言う。
あなたたちのおかげで、<<世界は救われた>>と彼は言う。
本当だろうか?
良く分からないが、なんだかとてもいい気分だ。
あなたたちは能力を認められ、『機関』なる組織のエージェントとして勧誘される。もちろん強制ではない。一日ゆっくり考えてください、ただしこのことは口外無用で――そう告げられ、少年が手配したであろう黒塗りのタクシーに乗せられる。
しかしあなたたちの心は、もう決まっている。
あなたたちは――
っていうシナリオの脱出ゲームをやりたいな、って思ったんですけど、明日の1万人脱出ゲーム(北海道でやって欲しかったですね。参加される皆さんは楽しんで下さい)『終わらない宴からの脱出』が、タイムリーなもので『終わらない夏からの脱出』に見えましてですね。これもいいなと思ったんですよ。
なので、こちらのシナリオも考えたいと思います。