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iTunesカード、あるいは人類の善性の進歩

 大げさなことを書いてしまったがようするに、俺が知らないうちにiTunesカードのあの、コードが書いてあるところが、コインで削る式ではなくって、ぺろっとめくる式になっていたということである。

 しかも、数字を逐一打ち込むのではなく、カメラで認識するだけでコードが読み取れるようになっており、人類の叡智は一体どこまで発展するのか、俺は畏敬の念でただただどこか胡乱な方角に向かって頭を下げることしかできない。凄いことである。

 日々の小さなことに感動する精神性をもって生きていきたいと思っている。でもたぶん、このフレーズで想定される日々の小さなこと、というのは、ツバメが巣を作ったとか、名も知らぬ花が咲いたとか、そういうことなんじゃあないのかなという気もしている。そのあたりには、正直言えば特に感動はない。桜、咲いたなあ。散ったなあ。そんなところである。今年に関して言えば、フキノトウとか生えてくるのには若干呪詛もついてきていた。もう春が来ちまったのかよ。今年ももう終わりだ。そういう気持ちになるからだ。

 言うまでもなく今年はまだ終わらない。が、五月は中旬に突入した。

 日々を大事に生きていきたい。小さなことに感動しながら。

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