人生には必ず困難な時が訪れます。
自らが原因で招くこともあれば、
不可抗力や運命に導かれる場合もあります。
主人公「ベンタこと東弁太一(とうべんたかかず)」と、
もう一人の主人公、「分銅海斗(ぶんどうかいと)」。
親を失うという自分の力ではどうする事も出来ない人生の困難に、
「ベンタ」と「海斗」は遭遇します。
『自分の力で、自分の人生を切り開きたい』、
プロボクシングに人生をかける決心をします。
入門から半年、
村木コーチの厳しい言葉に反発し、
練習を勝手に変更してジムを飛び出したベンタ。
海斗はベンタを追いかけ、公園にいるベンタを見つけました。
ベンタは、海斗も自分と同じようにつらい思い出や境遇、先の見えない不安と戦っていることを知ります。
(ここまで第一章)ここからの続き……。
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海斗に続いて、ベンタがジムの中に入り、村木の前に行き、
「練習を途中で放り出して申し訳ありませんでした」
体を九十度に曲げて謝罪します。
村木が険しい表情でベンタを見ます。
「ベンタ、顔を上げろ」
ベンタ本人は勿論、周りにいたみんなが殴られるのを覚悟します。
ベンタが顔を上げます。
村木がベンタの肩に両手をのせて軽く握り、
村木がニッコリ笑って、ポンポンと肩を軽く叩いた。
「ベンタ、よく帰ってきた」
ベンタが今にも泣き出しそうな顔で村木を見ます。
村木のほっとした安堵の顔がジムの中の空気を変え、
すぐ横で田口が頭を撫でながら海斗を労(ねぎら)います。
海斗が笑顔で田口に応えました。
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このあと、はたして、ベンタと海斗を待ち受けている運命は?
「ベンタ」第二章の始まりです。
生活や人生が思うようにいかなくて苦しい時、つらい時、どん底だと感じるとき、人は現実とどう向き合えばいいのでしょうか?
どう立ち直ればいいのでしょうか?
野﨑博之(のさきひろし)の「呼び止めざる事の為に」の本の中に、
阪神淡路大震災に寄せた、「道標」という作品が所収されています。
この作品に込められた思いが、第二章の多くの場面で描かれています。
連載中、【ベンタ】第二章 をお楽しみください!
次回以降も、現在公開されている、
「ベンタ」【前編】 『 序章 ~ 第三章 』 に散りばめられた、
『エピソードの数々』を、
少しづつ紐解いていきます。
おたのしみに・・・。
野﨑博之(のさきひろし)
