人生には必ず困難な時が訪れます。
自らが原因で招くこともあれば、
不可抗力や運命に導かれる場合もあります。
主人公「ベンタこと東弁太一(とうべんたかかず)」と、
もう一人の主人公、「分銅海斗(ぶんどうかいと)」。
親を失うという自分の力ではどうする事も出来ない人生の困難に、
「ベンタ」と「海斗」は遭遇します。
『自分の力で、自分の人生を切り開きたい』、
プロボクシングに人生をかける決心をします。
入門から半年、
村木コーチの厳しい言葉に反発し、
練習を勝手に変更してジムを飛び出したベンタ。
海斗はベンタを追いかけ、公園にいるベンタを見つけました。
ボクシングを諦めようとするベンタに、
海斗の思いをぶつけます。
父親を亡くしたベンタ、両親を東日本大震災で亡くした海斗。
自分以上につらい思いをしてきた海斗。
改めてベンタは自分のたどってきた軌跡を考え直します。
『自分はどうして、好きなスポーツと、高校進学を諦めて、
プロボクサーを志したのか?』
ベンタは、自分自身の原点に立ち返ろうと、思い出を振り返ります。
和歌山で生まれ育った父と母と、バスケットボールチームの先輩後輩、
人生の岐路で親身になってくれた巻川コーチとの思い出。
中学校の同級生、担任の高橋先生と進路指導の前田先生の思い出。
そして少しづつ、少しづつ、
ベンタの心に変化があらわれていきます。
野﨑博之(のさきひろし)の「呼び止めざる事の為に」の本の中に、
「原点(Back to the basic )」という作品が所収されています。
この作品に込められた思いが、第一章の場面で描かれています。
連載中、【ベンタ】第一章 をお楽しみください!
次回以降も、現在公開されている、
「ベンタ」【前編】 『 序章 ~ 第三章 』 に散りばめられた、
『エピソードの数々』を、
少しづつ紐解いていきます。
おたのしみに・・・。
野﨑博之(のさきひろし)
