最近、ちょっとノンフィクションばかり読んでいるので、相対的に小説の価値が自分の内部の流行チャートから落ちてしまっている。
優れたノンフィクションを読むと、
嗚呼、ここには「人間」が描かれている!
と興奮する。
そういう時、小説の中にいる人物は、変なところを変な風に誇張された「キャラクター」にしか見えない。写実的な油絵の人物画をずっと眺めた後で、急に萌え絵の痛車を目撃したような気になる。
こうなると現実を素材にした伝記的な小説や、政治・経済・宗教・歴史などを扱った小説、社会派のミステリなどに惹かれてしまう。
しかし自分は元来、現実べったりの小説が嫌なのでSFや幻想、ナンセンス系の小説を好んでいた筈なので、しばらくするとまた元に戻るのか、このまま帰ってこなくなるのか、うまいこと両立するのか、どうなるのだろう。