「拍手 司会」を含む小説

落札者が決まったことを告げる音が鳴り響く。歓喜の拍手と落胆の吐息が充満したオークション会場はその熱が冷めぬうちに次の商品が運ばれる。 静かに、希少なガラス細工の如く壇上に運ばれ…

♫ジャジャジャ〜ン！ ブラウン管にはタイトルロゴ【ザ・ベストテン96】が点滅し、観客は拍手喝采。 しかしその瞬間、舞台裏の楽屋で「ドンッ」という鈍い音が響いた。 控室に倒れてい…

夏の会場に満ちるざわめき、紙コップの氷、遠くのせみ。フリーアナウンサーの私は、その“音の手触り”を少しだけ調えるのが好きだ。拍手の粒がそろう瞬間、言葉が空間にやわらかな輪郭を与え…

第１０巻 ああ、遠くなる昭和の思い出たち （淡い恋心・・・信子そして美穂と里穂そして歌穂 １０月が始まった。新体制での最初の仕事は第１土曜日の老人ホームでの演奏会だった。…

某県の地方局『マンカイ放送』の新入社員・朝倉ひなたは、アナウンサー志望だった。しかし、全国各局で繰り広げられた熾烈な採用競争に敗れ、”滑り止め”の総合職入社で営業に配属される。 …