「押しボタン」を含む小説

渡りたくないけど渡らないといけない。

私こと小山内牡丹は、毎日毎日エレベーターのボタン押し係をさせられている。 誰に命じられたわけでもないが、いつも流れでそうなってしまうのだ。 そして私が巻き込まれるのは、エレベータ…

自分にだけ見える押しボタンがある。 押すと消えてなくなる不思議なボタンだ。 押したからといって何かが起こるわけではない。 押さなかったからといって何かが起きるわけでもない。 そう…

私は愛する家族を残して命を失ってしまった。 お買い物の帰り、押しボタンの信号が青になったので渡っていると信号無視の車に跳ねられてしまった。 家族に何も言えずこの世を去ってしまった…

ある会社の入社面接で俺が通された応接室にあったのは、裏面に『見るな！』と書かれた一枚の写真。俺はその写真が気になって仕方がなった。見るなと言われれば見たくなる。そんな写真にテーマ…

健康診断を受けた私は3階から1階へ行くのにエレベーターに飛び乗りました。そのエレベーターどこかおかしい。押しボタンや階数を表示する場所もありません。私しか乗っていないのに、いつの…

「問題。デナイアル、アンガー、バーゲニング、デプレッション、アクセプタンスに至るまで平均二カ月かかり、永遠には続かないことを分析した、精神科医エリザベス・キューブラー＝ロスの悲嘆…

「問題。19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則で、」 　躊躇することなく、すえは早押しボタンを押した。 「…

ベタ問とは、ベタベタに手垢が付くほど何度も読まれ、使われたクイズ問題を意味する。 クイズプレイヤーは、その場の閃きより、数万もの問題を見聞きしてきた経験で早押しボタンを押している…

僕は、毎朝見かける彼女にいつの間にか恋をしていた。ただただ彼女を見つめるだけで幸せだった。それでも、このままではいけないことも心のどこかで分かっていたー―。

ある日、以前住んでいたところの踏切が「開かずの踏切」で、すごく迷惑だったのを思い出した。そのついでに「ところで、開かずの横断歩道というのは実現可能なのかな」と考えてしまった結果が…