「失くしもの」を含む小説

2025年7月 仕事から帰ったらぼんやりとした母が 土気色、と言うか灰色になってベッドに居ました。 父が付いていたものの、視力も弱く異常に気づかなかったようです。 この作品は、…

始まりを見失い、終わりを失くした世界『マヨソティス』。 そこで生きるとある少年はある日、義姉から世界を旅し人探しをするようお願いされる。 少年は姉の願いを聞き入れ、旅の始めに出会…

舞台は、茨城県の最北端──北茨城市・平潟温泉。 太平洋を望む小さな港町の外れに、ひっそりと佇む一軒の宿がある。 その名は、「椿屋（つばきや）」。古びた木造建築に、赤い椿が咲く石畳…

ある日、辺鄙な田舎の小さな町に「レオ」と名乗る一人の代筆屋が現れた。 礼儀は正しく、物静か。身なりも所作もどこか洗練されている。 識字率が決して高いといえない大陸で、読み書きに精…

　半年前まで広告業界で働いていた結城栞は、激務に疲れ果て休職していた。デジタルの世界で消費される言葉に虚しさを感じていた彼女が向かったのは、亡くなった祖父が営んでいた活版印刷所。…

28歳の1Kのアパートに独り暮らしの男は、アルコール依存症だった。彼は2年前に恋人の美咲を自殺で失くして以来、毎日浴びるように酒を飲んでいる。そして酔いが回った時だけは、美咲に会…

記憶喪失の状態で目が覚めたアグレイアスは､魔法が扱えなかった｡この世界の基盤となっている魔法が扱えない彼は､それでも今の自分の前の事を知るものを探り始める｡しかしそれは､この世界…

「感情なんて、邪魔なだけ」 そう思っていた私の前に現れたのは、転校生の黒羽零。実は彼、人間の“心”を学ぶために作られた超高性能アンドロイド。なぜか私は、彼の「感情教育係」に任命…

雨の日にだけ現れる不思議な古書店「月と時」。 そこには美しい店主・西園侑（27歳）と、美少女と見紛うばかりの助手・如月冴（22歳）、そして黒猫のみぃちゃんがいる。 この古書店を訪…

俺の弟は、俺と違って生まれつき鏡に映らなかったらしい。 鏡に映らない人間は異世界へ行かないと消えてしまう。だから弟は異世界に旅立った。 俺はこんな最悪の中で生きているのに、あい…

魔物をもとの人間に戻して成仏させる「浄化」を使命として生きる不死の青年フィンの物語。 魔物はどこへと還るのか。 人間だった頃に戻り、人間として生を終わる。 それが浄化の救いなのだ…

「もう、退屈だ」 異世界に転生し、神々すらひれ伏す“無敵”の力を手に入れた男、カイト。 竜を指先で屠り、あらゆる願いを叶える力は、彼から全ての喜びと生きる意味を奪い去った。色褪せ…

生きる希望を失くしかけた男子高校生とその固く冷たい氷を側で溶かしていく優しい女子高生の青春ラブコメ。 『あらすじ』 ある日突然、平原歩の前に現れた少女––水瀬可奈は、同じ学校の…

大切な宝珠を失くした姉姫の罪をかぶって処刑される代わりに、姉姫の身代わりとして、ある男の守り人になることを命じられた少女、セイレン。 仕えることになった男は、淡海と海の水運を司る…

これは「美しくない記憶」を、あえて正確に保存しようとする試みです。 「忘れること」もまた、記憶の作用のひとつだと考えています。 遅れて届く音、失くした鍵、沈黙のなかの会話。 そ…

【書籍化決定】 ＊各種電子書籍様にて配信中＊ https://note.com/charlotte_bunko/n/nbf3680182954 ＊ピッコマ様にて先行販売いただき…

幼い頃から病弱で、人生のほとんどを病院のベッドの上で過ごしていた、翔也。そんな翔也の夢は、遠い先の未来まで語り継がれる、昔ばなしの主人公になること。その目標を胸に、翔也は何かスゴ…

雨の日。紫陽花を見に来た「私」は、奇妙な女性と出逢う。その女性は失くした手巾を探しているらしく……… ※このお話は同人サークル「見習い魔術師」でも公開しています。（内容や表現に…

五年前の夏、幼なじみの澪は突然姿を消した。伝えられなかった想いだけが、遼の胸に残る。そして今──偶然出会った彼女は、記憶を失い「あなたを知らない」と微笑んだ。名前さえ失くした彼女…