「恋 人魚」を含む小説

うら若いわけありの公爵夫人は、きれいに整えた浴室で、人魚姫を飼っておりました。 彼女の嫁入り道具はただふたつ、うつくしい色彩の少年人魚と、それから猫足のバスタブだけ。 抱え込ま…

「好きだよ、相良さん」 　毎日毎日、当たり前の顔をして周くんはわたしに『告白』する。彼の保有する『人魚姫』の『呪い』のために。 　わたしが返せる言葉は決まってるのに。周くんの想…

一か月の昼飯代を水族館の年間パスポートに変えた。 自分の居場所を確保するために。 久しぶりに訪れた水族館で、僕は目を疑う光景に遭遇した。 オーシャンブルーの光に照らされた大水槽…

僕は一人の少女に出会い、恋をした。正確には、「少女」と言っていいかはわらかないけれど、その青い煌めきを放つ海岸を訪れる時、僕らは確かに心から繋がっていられたのだ。でも、僕と彼女は…

人に恋をし、同じを手に入れるために尾鰭を足へ変えた人魚姫と、人魚姫を想い続けた少年のおはなし。 「――魔女に頼るような、魔女になってしまうようなやつは得てして愛が重いのだよ」 …

「地球はなんで青かったか、知ってる？」 彼女はぼくに消え入りそうな声で聞いた。 「月の人魚が落とした最後の涙のひとしずくなんだって」 そう笑うきみの命の灯火が静かに消えてい…

美しい歌声で水中へ引きずり込むセイレーンか、あるいは声を失って想いを伝えられなくなった人魚姫か。 pixivに投稿した同名の作品と同一です。→http://www.pixi…

『タイムトラベラー　他』数百字～4500字。pixivより転載。 父親を殺すため、過去へ向かう男。（タイムトラベラー） 孤独な宇宙空間での事故。（方舟） 少女には未来が見えるかも…

誰かが嘘をついている。 ひとり。三途の川を漂う船頭がおり。 ひとり。かつて、人間に恋をした天女がおり。 ふたり。かつての自分の姿を亡くした亡者がおり。 ふたり。山を降り…

海月（くらげ）と泡沫（うたかた） ある人魚を巡る物語。 猫は殺人を目撃し、 人魚は恋をし、 画家は最期の絵を描いた。 (全8話)

ハンス・クリスチャン・アンデルセン。 恋愛小説の名手として文壇の寵児となった彼は生涯に三度の失恋を経験している。 そして彼にとって最も鮮烈で衝撃的だった失恋は一度目の恋であっ…

「ねぇ、梨世。僕達は出逢わないほうがよかったかもね」 うららかな春の太陽が、地平線へと沈む前の夕暮れ。 差し込む西日がショーウィンドウの水槽を通り抜けて、深海のような揺らぎの空間…

　村人たちはじゃんけんに熱狂し、ある男は不可思議な一生を謳歌する。近未来の都市では労働と称して人々が走り回り、遠いどこかでは荒唐無稽な物語が綴られる。八王子の女子大生は恋をして、…

大学講師の草平は、月夜の浜辺で美しい人魚と出逢う。それから16年。娘の衣緒に、異変が起き始める。 個人サイト「Swallowtail Garden」にて同時連載中。

魔神の求婚を退けた人魚姫の恋の行方は……。 ＊他サイトとの重複投稿です。

　奇妙な魚の夢から目覚めると、わたしは病院のベッドにいる。 　夜間に上水公園の堤から突き飛ばされ、身体中何箇所も骨折したようだ。 　主に痛み止めの投薬でフワフワになったわたしの頭…

私の好きになる人には、いつも他に好きな人がいる。あの人を好きになっちゃいけない、でもどうしようもなく惹かれる–––ゆらり、揺れる、そして、堕ちる。 ▼title／カカリア様

戦争が続く国の端で、青年が人魚を拾いました。

人魚姫を題材にした物語

おまえのママは人魚姫で 陸に可憐でちいさな娘を残し 海に還って行ったんだよ、と。 –––それは、あたしが眠ってしまう迄、 夜ごとパパが聴かせてくれた物語。 ▼title／Shk…