「アスファルト」を含む小説

残暑厳しい季節、一人欠けた日常。熱したアスファルトを踏む新しい靴。 無気力な日々を過ごす葵は、ある日亡くした親友からの手紙を発見する。 以下のご企画に合わせて書き下ろした作…

歳の離れた兄を慕う弟は、うだるような夏の日兄に連れていかれる。 シャツが肌に張り付いて、歯の間で氷の粒が砕ける。 隣を歩く兄は、涼しげな顔で紫煙を燻らせる。 この作品はwrit…

　舞台は平成30年、日本。 　日本列島を縦断する自転車レース、『チャリンコマンズ・チャンピオンシップ』という大会が開催される。 　ロードバイクだけに限定しない戦いに、マウンテンバ…

条件という名の糸で出来た網の隙間から、零れ落ちた一人の話。 自主退学、コロナ退学と呼ばれるものは、本当に結果を出せど頂点になれなかった学生が悪いのか。 学生目線で見た、コロナ退学…

アスファルトにおちて悶え死ぬ虫を見かけたものですから。 ひらがなの詩。

とても暑い夏、京都。アスファルトの照り返しが目に痛い。暑くてぼうっとする夏、私はひとりの男の人と出会うんだ。汗をかきながら太陽の下で冷たいアイスを食べるような、幸せな感覚。

ネカフェ難民をしていた“私“は、一文無しで街に追い出され途方に暮れていた。 靴も壊れて裸足でアスファルトを歩く私の肩を叩いたのは、初めて会うおじさん。 初対面の私に靴をくれて、食…

会社員の男はその日も普通に家を出た。朝飯を食べ歯を磨き着替え外に行き車に鍵を掛けた。 そこまではよかった、いつもと同じ違うのは、道路が極端に冷えていた事だ。事故の想定などしてなか…

その日、世界はがらりと色を変えた。 ビルを割るようにして伸びる大樹、アスファルトを抉り流れる小川。 まるで人類が滅亡したら生まれるような光景へと変貌を遂げる。 だが、それは惨劇の…

近未来ではなく、理想の世界を念ずる。

「お前、何に執着してるんだ？」 ぼんやりと人間ウォッチングをしていた麻琴にかけられた不躾な声。顔を上げれば、そこには精悍な顔つきの青年が立っていた。 ここ十数年誰かに声をかけ…

彼らの武器は色とりどりのスプレーと一つまみ程度の勇気だけ。動機なんて必要ない。理由なんてない若気の至り。けれど不思議と後悔もない。束縛と無関心が彩るアスファルトを壊すように自由を…

　企画用。 　崩れそうなビルの屋上で自殺をしようとしたところ、藤色の目を持つ女が助けに入り、逆に転落死する。ところが彼女はアスファルトの上で再生し、元に戻る。なんと、女の正体は不…

やっと「らしい」作品を書けました。 個人的には晴々としていますが、私の「らしい」作品は例のごとく晴々としていません笑

散歩中に見つけたアスファルトに書かれた「死にたい」の文字。 それに「わたしも」と返事を書いた。ただ、それだけだった……。

トランクケース一つでアパートに転がり込んだ幼馴染の女の子は、唐突に食事を作り始める。 油がテラテラ光る肉野菜炒め。大皿から零れ落ちそうなクリーム煮や、ふかふかの座布団みたいな卵焼…

桜がその花を咲かせていたことを、夏になれば人々は忘れてしまう。 誰もが足早に、アスファルトの上を歩み去っていく。 そんな2011年7月の頃、わたしは親友に別れを告げた。 そうせ…

熱されたアスファルトに横たわるマイナスドライバーと、宙に浮かぶ不安定な〈ふわふわ〉。

都会のマンション地域では、外は熱されたコンクリートやアスファルトが暑く、中はエアコンで極度に冷やされて寒い。そこを出入りする投函アルバイト男の作業風景が描かれています。２００９年…

部屋の片隅で埃の被ったノートより大量に随時抜粋