「虫 短編」を含む小説

一目惚れするだけの話です。

本の虫である佐藤は今日も今日とて図書室でサボっていた。 そこに佐藤に気持ちを寄せている椎名が呼びに来て───

寒い朝の通学路。 ポケットに手を入れて暖を取っていたら…何だろう？ 手に力を込めるとパリパリと心地よい感触がする。 私は夢中になってそれを押しつぶした。 ※真実が分かるとゾッと…

夏場によく見かける、蜉蝣蜻蛉（かげろうとんぼ）。 それを夫との散歩中に見かけた透湖（とうこ）。何の虫か？と夫もとい、樹（いつき）に尋ねた。樹は「蜉蝣蜻蛉という」と答える。それを聞…

友人と怖い話をしてできた作品です。 (あまり怖くないと思います)

深夜に先輩から呼び出されて向かった宅飲み。夏の夜に飛び出して向かった先輩の家にいたのは初対面の後輩。先輩は一緒に買い出しに行けって言うけど……？ この作品は以下の自主企画に参加…

蛾を殺した。 今は心底後悔している。 虫嫌いの作者による掌編ホラーです。

「百足の死骸出てきたんだけど、要る？」 百足の死骸が好きだという嗜好を持つ青年に対し友人からかかってきた電話。 ありがたく受け取ることにしたのだが、――――それは、何かが変だった…

自転車も乗れば虫にあたる。風にも坂にも信号にも。

生贄に捧げられた少女と淡白な魔術師の接近。自己否定と筋違い。 一発ネタに近いです。

彼等は、黒い森のような場所に棲んでいる虫。 過酷な環境により多くの仲間が死んでいく中、ある突然変異が起きた。 その変異が後にカミ殺しと呼ばれる事を、彼等は知らない―――― ※『…

別れる運命にある人に芽ばえてしまった恋心。 戸惑う気持ちを持て余す主人公に起こった出来事――

『あの人は太陽で、僕らはその光に惹かれて群がる虫だったんです。僕らがあの人の隣に立てる未来なんてどこにも存在していなくて、あの人は何時だって一人で輝けるんです』で書き出しを固定し…

シルバーフィッシュは紙を食べる虫である。彼らの小さくも大きな冒険の話である。

※当作品は2020年11月22日開催の文学フリマにて発行されたホラー小説アンソロジー「一白界談」収録作品です。

【書いてください】指定の文章で始まる小説 主催者：芳岡 海様 の、企画に寄せさせていただきました。 書き出しの指定は 「少し長く眠りすぎたようだった。」 春に目覚めた生き物…

ある友人の分析と、私の話。

僕、森野博士（もりの・はかせ）には好きな人がいる。 となりの席に座る学級委員長の八坂愛奈美（やさか・まなみ）さんだ。 彼女は勇気があって、それでいて、誰にでも優しい。 学級にとど…

孫の健一は耳や目を悪くしてもちゃんと聞こえるし見える。前世で徳を詰んだのかしら、そう思いながら娘夫婦が多忙ゆえ日中と夜は預かっている。 健一は庭の隅に穴を堀り熱心に何かを集めてい…

冬のある日。洗濯物を干そうとベランダに出た私は、バッタが物干し竿にいることに気づいて慌てて部屋に帰る。虫は苦手だが、故に追いやることもできないでいた。 短編というよりショートショ…