「一人 短編」を含む小説

『王様の舌は真っ黒け。まるで悪魔の舌のよう』 街でそんな童歌が歌われ、大人たちの間からも噂が囁かれるも その国の王であるグレモラの舌が、本当に黒いのかは誰も知らない。 どうせ根…

吸血鬼がいなくなる物語

　素性不明のストリートアーティスト（集団？）の『ネズミ』の一人が交番勤務の警察官によってついに逮捕された。 　ネズミが捕まる直前に仕上げた作品は、それはそれは見事な〝七夕の風景〟…

しがない夢追い人であるボクと、キミの遥か昔の思い出の話。嘘か真か、とある迷信を信じたボクたちの一夏の思い出。切なくとも、満足できるお話です。

私は多くを失った。 その代わりに彼女と出会った。 不幸中の幸いとはまさにこの事だろう。 幸いの割合があまりにも大きいが ※レイティングに関しましては、私の執筆方法として「今後の…

俺の幼馴染はクラスメイトに冷たい。それは、俺も例外ではない。 ただ、それは学校での話。放課後は甘々……だぶん。 ただでさえ可愛いのに、言動がいちいち可愛い。 天然なのか。狙って…

かつて漂流していた地球の宇宙船。乗組員をトラクロービュ星人の女性が救助した。彼らの間にはやがて子供が誕生し、彼は地球とトラクロービュ星の友好を取り持つため、親善大使として第二の故…

うだつの上がらない一人の男が、ある日石を拾う。薄汚れた玉虫色の石…しかし、男はそれを投げ捨ててしまう。数日後、テレビの報道番組を見た男は仰天した。その石は「希望石」と呼ばれ、かつ…

500文字以下の部ショートショート。醜く生にしがみつこうとする一人の男の物語です。

　今日も私は、彼がいなくなったベッドで一人目を覚ます。 　とっくに冷めた温もりと、しつこく残るタバコの匂い。 　私の前では吸ったことないけど、隠れて吸ってること知ってるよ。 　…

「惚れ薬が欲しいんです」 山同然の田舎に住む魔女、小柳パナシィのもとに一人の少女が訪ねてきた。 曰く、誰かを好きになったことがないから恋をしてみたいのだとか。 好奇心ゆえなの…

タイトルの通り、カップ麺を待つ間に読んでほしい約三分のショートショート小説。 ストーリーに繋がりはありませんので、どこから読んでも大丈夫です！！

私が仕事で四国のある県を一人で訪れた時の話です。古く汚れたビジネスホテルで出会った霊は最凶最悪でした。 深夜ベッドで寝ていると悪臭と寝苦しさで目が覚めました。暗闇の中、隣で何かが…

ある夏の公園。 動けない僕は一人の少女に出会った。無邪気で純粋だけど、誰からも見られない。驚くことに少女は幽霊だった。 幽霊と、僕。偶然の出会いに導かれ、お互いの寂しさと孤独から…

ループールと呼ばれる流れるプールがある建物に一人の人物が訪れる。

　主人公である「ネルシー・アルタスト」は、ある小さな村の外れに一人で済む有翼種(ゆうよくしゅ)の少女だった。彼女はもともと、天空に浮かぶ島に住んでいる「セレスティア」に住んでいた…

　主人公である零香には、使命があった。両親から託された、『世界を救う』という壮大な使命が。 　街は滅び、文明はかつての形を失い、辺りには危険な無人兵器が跋扈する世界で、彼女は世界…

８月の夏祭り。私が歩いて向かうのは、祭囃子が響く場所。 石造りの階段を一歩ずつ、私は彼を探しに上がっていく。 心がはやり、今すぐ駆け上がりたくなって。 でもカラコロと鳴る下駄が…

「美咲、ちょっといい？」 　杏奈が私を呼び止めた。 「新入生の中に、ちょっと問題がありそうな子がいるの」 「どういうこと？」 「あそこにいる子よ」 　杏奈は控えめに指差した。 「…