「ただわたしだけが」を含む小説

ある日友人のエミから電話があり、引越し先の隣人との付き合いに悩んでいると聞かされる。 犬が少し吠えただけでチャイムを連打され、昼夜問わずラップを爆音で流され、窓ガラスを割られ――…

その日、僕は自らを雪女と名乗る少女と出会った。

知的な赤根、腹ペコ青田、変態の黄野、そしてわたし緑山。 休日に喫茶店でだべった。

祇園少女のささやきは色即是空の響きあり。浴衣の裾のその奥に英雄必立の白き太もも。勃ちし者も久しからず、ただ祇園祭の夢の如し。往ける男子(おのこ)は終には萎み(しぼみ)て、偏(ひと…

転校してきた時からずっと、さくらはわたしの中にいる。

真由梨は平凡を愛する女子高生。 翌日からの家族キャンプを楽しみに親友といつも通りの日常を過ごしていた。 しかし突如始まった全世界への謎の同時攻撃で世界は崩壊した。 真由梨は一命を…

※主人公のまいちゃんが理不尽に“お仕置き”を受ける物語です。 苦手な方はご注意くださいませ。

地球と月は、元は一つだったのだから、二つに別れてしまって、かわいそう。そう思ったいつかどこかの前のわたし。次のわたしはどう考える？　

双子の姉の代わりに大国 瑞の皇子鴻雲の花嫁選抜のため後宮に入ることになった葉楽。 三年何もなければ故郷に帰れるという条件を信じていたのだが、何故か鴻雲気に入られてしまい・・・。 …

これはわたしの人生のはなし。

大学生の女の子「わたし」が、朝、お風呂に入ってからサンドウィッチをつくるまでの、淡々とした考えごとを描いた話。 カクヨムWeb小説短編賞2020 中間選考落選。

「わたしが慎司のねえちゃんと思って、慎司がわたしをねえちゃんと意思疎通した時点でわたしたちの間柄は姉弟になったの！姉弟は結婚できない！法律で決まってんの！アンダースタン！？」 「…

　恋愛は自由だとよく聞くけれど……一体どうしてそうなったのか、私が好きになったのはあろうことか血の繋がった実の母親だった。この気持ちの果ては、一体どこにあるのだろう？ 　ド天然…

なぜわたしだけ突き放されるの？ どうして繰り返すの？ なんでわたしだけこんな目に？ だったらわたしは… だからわたしは…

「殺伐感情戦線」の「手紙」参加作品です。 寂れた村で郵便配達の仕事をする「わたし」。最後の配達は、今年度いっぱいで廃校になる小学校の事務員にあてられたものだった……

どう、とらえればいいのか。これを書いたわたしでさえ、わかるようで、わからない。

彼女を失った悲しみを乗り越えようとするぼく。止まらない性欲に恐怖を感じるわたし。嬉しいことがあれば悲しいこともある。あなたがちょっとでも前進できますように。

「そんなの、男に満たしてもらいたいからに決まってるじゃない」 そう言って笑う彼女が、わたしを愛してくれないことをずっと前から知っていたのかもしれない。

二十世紀初頭。ロシア革命から端を発する、ボリシェヴィキ政府率いる赤軍と反革命派の白軍らが、泥沼の内戦を繰り広げる戦火の最中、古来からスラヴ神話に登場する多頭龍〈ズメイ〉と、その龍…

同窓会――――それは、数十の束をまとめる〈ひも〉のようなものだ。 数時間の "A Story" の結束。 再会の喜びの反面、〈ひも〉で縛られる苦しさもまた、そこにはあると思う…