「空気」を含む小説

　七月に入ったあたりから、故郷の風景を何度も思い出し、胸騒ぎに近い不快感がざわざわと全身を駆け巡るようになった。 　一連の不快感が故郷にあるという確信が日に日に高まり、暴いてやろ…

えへへ。いいね、この空気。 あれ、あたしの席、ちょっとずれてる。 いまのうちになおしておこう。 黒板も、ちょっと、拭いてみようかな。 もう少しお掃除、がんばればよかったなあ。 …

ボクが一念発起して購入した高級車アウディR8スパイダー。真っ赤なアウディを駆ってロングドライブを楽しんでいた。その途中、立ち寄った小さな喫茶店でボクはトンチキな間違いを見つけてし…

柴田恭太朗さんの三題噺企画に寄せて。 「ペットボトル」「空気」「妄想」

【三題噺 #32】「ペットボトル」「空気」「妄想」に向けて書きました。!

茹だるような夏の田舎道。 僕が求め歩くのはそう、自販機だ。 三題噺#32「ペットボトル」「空気」「妄想」に参加させて頂くために執筆いたしました！

『【三題噺 #32】「ペットボトル」「空気」「妄想」』によせて書きました。

彼は社会不適合者の名前を為すがままに、大いに自己顕示し、無職で無名でスキルも資格もなく悲しい独り言のような空想空気力学という理論を打ち立てた男がある日あるところに、いた。 人は…

蓬莱智は病気持ちの両親元で育った。食事や私生活まで制限されてしまい、いつも我慢させられていた。家での空気は最悪と感じた。そんな智の息抜きはバスケと車について学ぶことだった。しかし…

東欧に端を発した第3次世界大戦。東西ともに原子爆弾のボタンを押した。それから30年後の世界。人間は吸収草という空気を浄化してくれる植物を発見した。稲に似た植物で3年でその寿命を終…

荒れた高校に天使のような少女がやってきた。そのクラスの空気は澱み、皆んなが死にたい、死にたいと言っていた。ホームに一列に並んで飛び込もうかなども話されていた。ところが彼女を見た途…

　アメリカからの転校生、瀬戸春（♂）の隣の席にいたのは金髪のエルフ（♀）だった。 　この世界にいるはずのない美しきエルフに動揺する春を置き去りにして、つつがなく授業が開始される…

　沢山の人間を殺して来た悪霊の棲む家。そこに殺された親友の仇を討ちにやって来た神崎尚美（かんざきなおみ）は、その家に最近越してきた北嶋勇（きたじまいさむ）のずれた認識（主にポシテ…

※不定期更新※ 『魔物』の存在が露呈して10年。世界は『魔物』により非日常が日常と化していた。後天的巻き込まれ体質のマサヨシはある朝、何故か自宅の廊下で目覚めると、玄関のドアが紛…

呟きにしては長く 詩にしては短い

積み重なる死体、広がる錆鉄の香り、頽廃した空気、失われた記憶。 これは少年が自己を取り戻す物語。

守護神ダジェを絶対神として崇めるアショク国。三月に一度満月の夜に開かれる“祭”が、国中の至る所で行われるなど、民のダジェに対する信仰はとても厚い。 この国には選ばれし者が務める…

とある少女の死と同時に、その戦争は始まった。 滅ぼされた村の生き残りである少年は、少女を殺した者への復讐を誓った。その身を殺戮の獣――狂獣（きょうじゅう）へと変える力を手にして…