「掌」を含む小説

地図のあちこちに、ぽっかりと空いた《空白（ブランク）》。 地形が捻じれ、魔力が渦巻く「世界のほつれ」。 そこへ踏み込み、地図に線を引き戻す者たちを、《記録者（レコーダー）》と呼…

葬儀の静けさを切り裂くように、男は黒い欠片を高く掲げた。 掌の上で脈打つそれは、生き物の鼓動にも似ている。 「マスターキー。電池不要、説明書なし──便利でしょ？」 飄々とし…

　フルダイブゲームが普及した現代 　新作のゲームをプレイするために、胸を高鳴らせてVRヘッドセットを装着し、ゲームの世界へと意識を投じた主人公。 　硬い大地、澄んだ空気、生い茂…

短くてちょっと不思議、時にはほろ苦い…さまざまな掌編を集めました。 好きな順に、気軽にお読みくださいませ。

星々の声を聞く力を持つ伯爵令嬢セレスティア。 静かな日々を彩るのは、掌に灯す小さな光と夜空の瞬きだった。 ある日、王都の小夜会で出会った青年ジュリアン。 穏やかな会話を重ねるうち…

七月から執筆を始め、夢中で書いた長編二作・中編一作・短編五作と、ご紹介する掌編三十二作を書き上げました。 四か月間で一気に書き上げられたのは、頭の中のイメージが演奏するように手が…

誰にも必要とされたくない、霞のように生きていたい男。彼には、子どもを望みつつ別れた元妻がいる。 そんな彼は、ひょんなことから寒空の下で子猫を拾い、元妻への想いともう一度向き合うこ…

『創世契約』 ――これは、感情が通貨となり、神々さえも「債務」に縛られる世界である。 創世神・盤古の「債務」が世界を侵蝕するなか、一組の兄妹が神となった。善決は法を解釈し司法を…

　日本とは違う異世界。 　俺はそんな世界でも元の世界と同じように森の中に引きこもっていた。 　引きこもり生活を満喫していた俺の前にやってきた、懐かしく、そして二度と会いたくはな…

昔書いたものを抜粋して転載。 SFっぽい、妖怪っぽい、童話っぽい、神話っぽい、など。 ★100になりました（2024/3/22）。閲覧、応援など有難うございます。 ※　53話…

スラスラ読める千文字以内の物語です。

ショートショート集。ジャンルごった煮。

散文詩寄りの掌編集。 英訳版をXに放流中、その素材置き場として書いてます。 日々成長中。ですので後ろに行くほど出来が良い……筈です。 拙作「ほらほら短編集」より分離した掌編…

思いつきを書いてきます(⌒-⌒; )

世界の隙間で息をしている人たちの話。 捨てきれないもの、言えなかったこと、越えなかった線。 都会の夜明けとともに、短く終わる小さな物語たち。 日々成長中。ですので後ろに行くほど…

戦争後のこの世界を支配する、唯一最大の大都会、市《シティ》。そこで働く私はある出来事によって、社会のメインルートから脱落することになった。そして降誕祭《ナビダード》の夜、この巨大…

無力で平凡未満の少年は、優秀な幼馴染を前に劣等感で燻っていた。 「世界を救う英雄になる」 大層な夢、強靭な精神があったって、それに見合った力がなければどうしようもない。 夢は諦め…

１９６３年、インドで手の平が発光する幼児が発見される。 翌年には中国、イタリア、更にその翌年には日本を含む１９カ国で手の平に何らかの異常を持った人々が発見される。 世界はそれらを…

　ある日、現実世界で電車に轢かれそうになった達観有輝(たつみ　あるき)は、どこかの部屋で目を覚ますのだった。 　そこに一人の女性(少女と言ってもいいぐらいの)がいて、死にそうにな…

私の運命は、私の掌の上にはない。 兄を討った男に嫁ぐことになった千住家の姫、綾乃。 戦乱の世に振り回される姫の物語。