「見えないよ」を含む小説

ある日を境に、僕は突然文章が書けなくなった。文学が大好きだった僕にとってそれは絶望を意味した。 「識字能力失調症」。それが僕の罹患した病名だった。 その治療の過程で、僕は精神的ス…

　潜在的に自殺する人間にオレンジ色の栞が挟まっているのが見える、高校生の三嶋澄人はクラスメイトの和倉彩乃に栞が挟まっているのが見えた。 放課後、屋上から飛び降りようとした彩乃を助…

忙しい日々に疲れ切っていた社畜。 雪が降りそうなほど寒い日の帰り道、終わりの見えない絶望に精神的な限界が来てとうとうぶっ倒れる。 地面に倒れて朦朧とした状態でかみさまにたすけてと…

姿なき声なき精霊の《歌》を読み解く風変わりな考古学者と、彼らの姿が見えてしまう孤独な少女。 水のほとりで、深き森の奥で、嵐の塔で――。 重なり合う異界に手を伸ばし、掬い上げた想い…

手元にある可愛いらしい手紙を見る俺、天音海翔（あまねかいと）は憂鬱な気分で屋上へと向かった。 するとそこには最近学校に転校してきた金髪碧眼の美少女、橘抹白（たちばなましろ）が居た…

【――ここは実力と命がものを言う世界だ】 全ての「常識」が曖昧模糊な異界・カクリヨの園。 いつ何時どのような理由で死ぬかもしれぬその世界にて、自ら危険に踏み込み、あるかもないかも…

船橋汐里が通う『わだつみ小学校』はお化け屋敷と見間違えるくらいのおんぼろ校舎。 五年生になった新学期、汐里は転校生の帆崎洋治と共に美化委員に任命されてしまう。 汚い、クサい、や…

ぱっと見、食べ物には見えないかもしれませんが。（※重複投稿作品）枯谷落葉

生まれつき色が識別できない色盲の状態で生まれた少年は、うっかり赤信号を渡りトラックに撥ねられる。死んだと思った次の瞬間、少年は知らない場所に飛ばされていた。 異世界転生……そんな…

一年に一度の誕生日を今日も迎える。 憂鬱のようで、楽しみのようで、ちょっぴり悲しく感じる。未来なんて見えなくて、過去なんて分からないそんな少女のお話。 ※文章がカクヨム甲子園に応…

祖母の訃報を受けて四国に向かった、山陰海原テレビ記者の榊守（さかきまもる）。 葬儀は分家である柏家の手によって厳粛に行われ、その参列には東里の神楽寛三・ミキ親子、藤本由美の姿も…

再会した幼馴染の男女。 互いを取り巻く不穏な環境に見えない本心。 探り合う二人の束の間の時間。

僕は巨獣体内探検家、リグ・マイヨール。 何だその肩書はとよく聞かれるけども、こう見えて王室御用達の立派な職業だ。 助手のミネバ君と共に危険な巨獣の体内へ潜り込み、調査と採掘、そし…

母親の再婚で義妹が出来たのはいいけど、それが少し変わった女の子で…とはいえ脱がせてみないことには分からない。 8/15から毎日更新。4話完結です。 昔話の鉢かづき姫をモチーフ…

矢田部恭一がロックバンド・アスピリンに参加し始めて、二年が経った。あるライヴの日、恭一は一人の女性から目が離せなくなった。それは、今まで経験したことのない感情だった。が、その人の…

「私はリリアーナを愛している。聖女を虐める底意地の悪い君はまるで向いてない。我がオノレーヤの国母なぞに添えてみろ、国がまともに治まるとは到底思えない。よってここにオノレーヤ第1王…

趣味でホラー小説を書いてきた「私」。 いくつものホラー作品を書くうちに見え始めたあるものとは。

【2022年8月25日（木）１・２巻同時発売!!】 戦乱の絶えない北の地で、傭兵の息子として生まれたアルマーク。彼は南から来た老人に魔法の才能を見出されるが、傭兵として成長し、…

働かない父親と共に家に引きこもる俺。どちらもクズだ。毎日がしんどくて堪らない。 向かいに住む彼女は俺と違って、全てを与えられていた。それが羨ましくて、眩しくて、自分が濁って見えた…

高校時代の同級生の女の子に頼まれて嘘彼氏として同窓会に出席することになった。 当時、真面目過ぎてつまらない男だった俺は、高校卒業して１０年以上経過しても同じだった。 ただ、周囲の…