「音」を含む小説

市井に育った紅音は天弓国の盟主たる大君の血筋のものだった。大君となった紅音は想い人たる木蓮に恥じないようまつりごとに励むが、それを良く思わないものの奸計により流転の身となる。

彼はかつてメロンソーダで満たされていた空のグラスを恨めしそうに見つめた後、グラスを持ち上げた。それから溶けた氷とメロンソーダの残滓の混ざった限りなく透明に近いグリーンをズコー…

　氷室文那（ひむろ・あやな）は異能力者。その異能力の代償で、彼女はとある症状に悩まされていた。 　それは「とても眠いけど、眠ることが出来ない」ということ。 　お陰で日常的に苛…

いつからか、空から灰色の雪が降り始めた。 音もなく降り注ぐ雪は、静かに街を覆い隠す。 街の建物も、中で寝ていた人たちも、みんなみんな灰色に染まっていく中。 1人の少女だけは…

「俺、恋とかよくわかんないんだ...」 この物語の主人公、渚 匠は恋というものがよく理解できなかった。そしてそれを理由に、中学の時に告白されたが断ってしまう。 それから一年、クラ…

私には優しい彼がいた。 幸せな時間を大切にしていた。 幸福の絶頂にいた。 その幸せは突然音を立てて崩れ落ちた。

知り合いの人形師バルターが死んだ。 その事実を導音機の放送で知ったコトラは彼の工房へと足を運ぶ。 すると何故か、工房は喫茶店となっていた。 店主はバルターの孫を名乗る青年グーベル…

杏奈は殺人事件のあとはじめてダブルベッドで寝たが、もちろん眠れるはずもなかった。 真夜中をすぎても、暗闇の中でますます目がさえて、窓の外の通行人の足音や遠くの車のタイヤのきしむ音…

【ネタバレ注意】 翠宮神社の治世が始まり早百年が経つ。 彼らは残虐なキメラによる恐怖の国家運営をしていた。 レジスタンスの一員として、神社に反目した少女サクヤはその身を追われて、…

＜あらすじ（約800字、最終話までのネタバレあり）＞ 　各地で、モンスターがはびこるダンジョンが見つかった。 　魔力を操る才能を開花させる者達も現れた。彼らの多くは、探索の…

私、紅音は疾風君と一緒にバンドメンバーに入っていた。大きな会場も任せられるくらい有名になった――。 でも、 ――君の声が聞こえない。 《連載》 長編も考えています。いつか続きを…

≪第一章 完結≫ 　高校二年生の春。 　かつて神童と言われた秀斗は転校生の楓音と出会う。 　学校を案内していく中、二人はいじめの現場に遭遇した。 　僕らはいじめを止められな…

当て字です。 楽しんでいただけたら幸いです。

自分が今後黒歴史になるであろうブツを置く、というコンセプト(？)です。 なんでもアリな世界にしておきますね。

非現実のフィルターと共に、ココロを覗く短編集。

かわいいぬいぐるみ作りが趣味で手芸部で一人ぬいぐるみを作り続ける真昼と、彼の作ったぬいぐるみを誘拐してゆく調理部の花音さん。 そんな二人のぬいぐるみ争奪戦です。 三話完結の短編…

最初の第1章の前の話は小6のときに書いて停滞したものです。それを元に最初から書いています。 小林真理乃は水の使い手。相方の浦上平一は火の使い手。この二つが織りなす魔法で500年…

　人生を諦めていた主人公――神谷　美海は美しい少女――藤堂　凛音に突然キスをされる。 　初対面であるにもかかわらず、結婚以上の仲になることを求められた主人公は、葛藤を経て少女と…

かつての世界でうだつの上がらない人生を送っていた山田拓朗は、死後に異世界へと転生する。そこで彼を待っていたのは、剣と魔法の世界だった。 その世界で彼は「ケイン」となり、いわゆるチ…

親に恵まれず心の支えであった愛犬のソラが死んでしまい藤宮 天音(ふじみやあまね)は生きている意味を見いだせず自殺しようとしたが─── 異世界転生し、新たな人生で長閑に暮らしたい…