「ショートショート 死」を含む小説

自決のために高層ビルに昇ると、そこには先客がいた。彼女の死はあまりにも虚しかった。だからせめて、彼女の最期の願いを叶えようと思った。

一旦死んでみるという事が出来たら、どういう理由で死ぬのだろう。 つまり死への恐怖があまり無い世界だったら、皆どんな理由で死ぬのだろうか。 ちょっと妄想してみた（してみただけ）。因…

死を展示する博物館で、案内者と見学者の二人は、イメージが映される水槽をめぐる。古代人の死のイメージ。戦争のイメージ。自殺のイメージ。そして映し出される、病が蔓延した年の死。それに…

７月２日、父の死体が河川敷に打ち上げられた。他殺らしい。

戦場で敵を殺す前に男は口を開く。最後に教えてやろう、と死に行く敵へ語る秘密とは……

なぜ覚えたのかもわからない幼少の頃の記憶が、その後の人生の要所で何度も蘇ることがある。意味があるとも思えない中立的で個人的な心象風景のなかに、人は曖昧なものごとの解釈を委ねて長い…

私と師匠の最後の会話 師匠の死後の望みとは

恋人が死んだ。 朝起きて、私は放置していた下着を身につけると、隣で眠っている恋人に囁いた。 「ねえ、朝よ」 返事はない。

夜の校内で血祭り騒ぎ。死者が起きるとさあ大変。食べたら眠れ、食べたら眠れ。

仕事をクビになった男、強姦された女、生き甲斐の無い男。死を願う彼らに、飲めばいつでも楽に死ねる“死の錠剤”が手渡される。「いつでも死ねる」そんな思いが主人公達の行動を変えていく1…

安楽死が合法化された日本で、新たな安楽死の方法が考案された。それは「無の扉」。その扉に入った者は存在が完全に消失するという優れものだった。

　おにさんこちら　手のなる方へ 　あっちの水は　あーまいよ 　こっちの水は　かーらいよ 　なかまはずれの　おにさんこちら 　おいでおいで　手のなる方へ

短編。寓話。 必要以上に死を恐れるカーネル、それを見兼ねたリースにより、あるサプリが渡された。

　透明人間が存在する世界。 　

「梅」にまつわる友愛の物語。自主企画【画題で書き初めしてみませんか】がヒントになって生まれたショートショート。まず「梅」をモチーフにしようと決めて、タイトルを「玉骨（ぎょっこつ）…

苦手なあの子と、二人きりのクリスマス・イブ　／　暗い海を独り越えた彼女が目にした、輝き　／　古びた大衆食堂に、舞い降りた天使とは　／　結末は悲劇でも、それでも彼は幸せだった。 …

境界線を越えますか。

　いつも無愛想で仏頂面をしていた、実の父親が亡くなった。交流の少なかった父の死に実感も持てず、あまり悲しくなれなかった主人公、早絵。しかし遺品整理をしていくうち、彼女は謎の古びた…

彼は、食わない犬だった。彼は、食わなくても死ななかった。彼は、気がつくと百年生きていた。百年生きた犬の、短い一代記。

「究極の選択」という言葉がある。 これは、究極の選択を迫られた、馬鹿な男の話である。