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★『王家公認、偽聖女です』発売記念★ 坂井ひなぎ氏インタビュー

2026年7月15日に富士見L文庫より刊行された『王家公認、偽聖女です』。

第8回富士見ノベル大賞で〈入選〉を受賞した作品です。本作の発売を記念して、著者の坂井ひなぎさんにお話をうかがいました。

裏側を知ることで、いっそう作品が楽しめること間違いなしです。 最後には、富士見ノベル大賞の応募を考えている皆さんへのメッセージも! 作家デビューを目ざす方にとっても必見の内容となっておりますので、ぜひ最後までお楽しみください。

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イラスト/憂

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――刊行される作品はどんなお話ですか。

 仕事に忙殺されて夢を忘れかけていた主人公のアレットが、魔法学校の同級生である第二王子ユーリスに偽聖女にならないかと誘われるところから始まる恋愛ファンタジーです。

 アレットの世界では、聖女召喚魔法により召喚された者が聖女なのですが、瘴気の対策が進んだことで聖女の強大な浄化能力は不要と判断され、聖女召喚は廃れつつありました。しかし、アレットの国では未だに莫大な予算をかけて聖女召喚が行われている状態。ユーリスは聖女召喚の廃止を考えており、そのために浄化魔法が得意だったアレットに協力を求めたのです。聖女に扮して各地を巡り浄化をするアレットたちですが、聖女召喚利権に絡む陰謀に巻き込まれてしまい――。

 偽聖女は無事に任務をまっとうできるのか。聖女召喚はどうなるのか。また、聖女に関する陰謀に巻き込まれる中で、魔法学校卒業以来の再会だったアレットとユーリスの仲も少しずつ変化していきます。そういったところを楽しんでいただければ嬉しいです。

――どんなきっかけで作品を思いつきましたか。

 いわゆる聖女もののお話が好きでよく読んでいたのですが、偽物だと糾弾されて追放された主人公が実は本物の聖女でした……みたいなパターン(これはこれで大好きです!)が多かったので、ふと「最初から主人公が偽聖女だったらどうなるかな」と考えたのがきっかけです。そこから「公的な立場で偽聖女を演じていたらどうかな」「つまり偽物であることを後ろ盾が認めていたら面白いかも」と発想を広げていきました。そして、偽聖女を主役に据えるにあたり、まずはこの世界における「本物の聖女」の定義を考えました。

 また、私はシンデレラストーリーも大好きなので、そのエッセンスを入れるため、ヒーローは王子様、聖女を演じるヒロインは下位貴族の令嬢にしようと決めました。そこから主役二人のキャラクターを作っていきました。

――作品内のお気に入りのキャラクターとその理由を教えてください。

 やっぱりアレットとユーリスの主役二人が好きです。アレットは普通の女性を意識したのですが、努力家なところや芯が強いところなど、私の憧れを詰め込んだ部分もあります。また、ユーリスはとにかく私の好き要素をぎゅぎゅっと詰め込んだヒーローになっています。人当たりがよく穏やかに見えて、実は諦めが悪いところや、恋愛には一途なところなんかはまさにそうです。ちなみに、彼はたぶん笑顔で周囲を牽制するタイプだと思っています。

 それ以外だと敵役として登場するマリエルでしょうか。彼女は典型的悪役ムーブをしてくれるので、書いていてとても楽しかったです。

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――賞への投稿時、作品を書くにあたってどんなことを大事にしましたか。

 まず富士見L文庫様の読者層に向けた作品であることを意識してプロットを作成しました。主人公のアレットを社会人に設定したことと、お仕事っぽい要素を加えた理由がそれです。また、恋愛だけではなくアレットが一度諦めかけていた夢を取り戻す物語にしたいなと考えて、物語の構成を考えていきました。

 また、これは今回に限らずなのですが、読んでくださる方に楽しんでもらえたらいいなと思いながら書いています。特に、恋愛要素というか、ときめくエピソードには力をいれています。今回の作品だと、ユーリスとのダンスとか、ドレスを贈られるとか。ときめきは私が読者として大好きな要素なので書くときも大事にしています。

――富士見ノベル大賞に応募したきっかけを教えてください。

 キャラクター文芸の賞への応募を考えていたのですが、創作の先生に相談したところ勧められたのが富士見ノベル大賞でした。  もともと富士見L文庫様は好きなレーベルで、応募も視野には入れていたのですが、和風や中華ファンタジーが強いイメージがあり、西洋ファンタジーばかり書いていた私にとってはそこが少しネックでした。

 ですが、改めてレーベルの刊行作品を調べてみたところ、私の得意な西洋ファンタジー作品も増えている印象を受けました。そこで思い切って西洋ファンタジーで応募してみることにしました。

――応募が完了したときや受賞の連絡を受けたときのお気持ちを教えてください。

 私はサイトから応募したのですが、臨時フォームからだったのでしばらくは本当に応募できたかどうかどきどきでした。とても親切に応募方法についてサイトに記載があってその通りにしたつもりだったのですが、やはり自分が要項を守れていたかは不安でした。また、西洋ファンタジーいけるかも? と思って応募したにもかかわらず、応募後に過去の傾向を振り返って、やっぱりちょっと難しいかなとも思い始めていました。なので、一次選考の結果に自分の名前を見つけたときは嬉しかったです。また同時に、応募要項はきちんと守れていたんだと安心しました。

 入選の連絡はメールでいただいたのですが、仕事帰りにメールを見つけ、落選を覚悟しながら開いたところ、<入選>という文字が目に入ってきて思わず何度も見返してしまいました。とても嬉しかったのですが、実は別の賞(角川ビーンズ小説大賞)でも賞をいただいたばかりだったので、これは大変なことになってしまった……とも思いました。自分の身に起きたことがちょっと信じられない気持ちでした。

――改稿の過程や編集との打ち合わせの中で印象に残っていることはありますか。

 全体的にとっても物語をよく読み込んでいただけて、初めて改稿案をいただいたときは、そのフィードバックの細かさにとても感激しました。 こうした方が読者さんにとって読みやすくなる、といった方向のアドバイスをたくさんいただいたのですが、今回の改稿だけに限らず、これからの執筆活動においてもとても勉強になるような内容でした。確かにそうだなあと納得することばかりだったので、今後に生かしていきたいです。そして、物語の都合上、アレットが少し不自然な行動をしてしまっている箇所があったのですが、そうした点はやはり指摘されました。プロの方はすごいなと思います。

 また、指摘点だけではなく「ここがよかった!」という点も教えていただいたのですが、それが個人的にも頑張ったところだったりしたので、伝わったんだなととても嬉しかったです。特に話の構成はすごくがんばったところだったので、そこを褒めていただいたときは、やった! と思いました。改稿のモチベーションになりました。

――これからどんな作品を書いてみたいですか。

 大好きな西洋ファンタジーはもちろん、和風や中華ファンタジーにも挑戦してみたいです。また、最近ではミステリー要素があるお話がちょっと気になっています。それらのジャンルに私の「好き」を掛け合わせたお話を書いていきたいです。

 そして物語を読んでいる間、その世界に没頭できるような、そして読み終わった後に少しでも心に残る何かがあるような、そんな話を届けられるようになりたいです。まだまだ未熟な点もありますが、少しでも理想に近づけるよう頑張っていきたいです。

――これから富士見ノベル大賞に応募しようとしている方へのメッセージをお願いいたします。

 一番は作品を書き続けること、そして書いた作品を投稿することだと感じます。受賞には作品の良さだけでなく、運やタイミングという要素も関わってくるとは思います。ですが、まず書いて応募しなければ選ばれることもありません。 私自身、いろいろな賞の公募に応募しては落ちていました。自分が賞を取れる日がくるのかと不安になったこともあります。ですが、とにかく書き続けて今回こうして賞をいただくことができました。

 あと、これは個人的な経験なのですが、変にウケを狙うよりも、自分の好きなものを詰め込んだ作品の方が気持ちが乗るのか評価が高いことが多かったです。「王家公認、偽聖女です」も私の「好き」が詰まってます。私もスタートラインに立ったばかりですが、自分の「好き」を信じて書き続けていきたいと思います。一緒に頑張りましょう。

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気になった方はぜひ書籍を手に取ってみてください!

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