浅草鬼嫁日記~あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。~/友麻碧
富士見L文庫
序 話
年々
それが
甘く懐かしい香りがしたのだ。
長い髪と
呪われた都の、灰色の空に流れて散る、しだれ桜の薄紅の花に魅入る。
まるで私の髪の色みたい……
ふと、視線を感じた。
滝のように流れる枝の隙間から、私を見つめる若い男が居たのだ。
―――鬼だ。
憧れ続けた、漆黒の髪と瞳。
だけど人ではない。その象徴である
そして彼は、心
「そこから連れ出してやる」
そう言って手を差し伸ばし、彼は私の名を呼んだ。
私の名。
私の名は――………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます