Rent-a-Level

龍神雷

序章

彼女が本当の意味で冒険者になる日

第1貸 駆け出し冒険者

「うぅうっ、ここは……」


 少女は眩しさに目を細めながら覚醒する。

 周囲を見回すと白い砂浜と青い海が広がっている。

 覚えの無い景色に少女は頭を巡らる。


「確かこういう時はパニックにならず冷静になれって冒険者の手引きに書いてあったはずだよね」


 改めて周囲を見回し、周囲に誰もいない事を確認する。

 耳を澄ませてもさざ波の音が聞こえるだけで、他には何も聞こえない。

 周囲の安全を確認した後、少女は自問自答して状況の理解に努める。


「私はセフィー=メルチ=エレルエア。16歳、女性。ついこの間、冒険者になったばかりの駆け出し」

 

 16歳にしては少々小柄なセフィーは、砂浜に座り込み、ここに至るまでに覚えている事を1つ1つ順番に思い出していく。



*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *



 冒険者になって数日経ったその日はとても良い天気に恵まれていた。


「うん、今日も冒険日和だね」


 セフィーは宿屋の窓を開け、外を眺める。

 広大な森に囲まれたこのトマスの町が今、彼女が拠点として冒険を行っている場所だ。

 周囲の森にはマウラットと呼ばれるネズミ型モンスターが数多く住み着いている。

 体長は50cm程で知能も低く、取り立てて特殊な能力も持たず、攻撃方法も噛み付き程度の強力な力を何も持たいないモンスターだ。

 ただし繁殖力が高く、1匹見かけたら近くに30匹はいると思え、という言葉は有名だ。

 とはいえモンスターとしては最も弱い部類に入るので、低レベル冒険者には丁度良い相手であり、この森は駆け出し冒険者にとって良い狩り場となっていた。

 外からの新緑の香りと共に、階下から鼻孔をくすぐるパンが焼ける香ばしい匂いが漂う。

 くぅ~と可愛らしくお腹が鳴り、周りには誰もいないのにセフィーは恥ずかしさに頬を染める。


「う、うん。これは成長期で健康な証拠だよね!」


 誰も聞いていないのに口に出して言い訳した後、支度を始める。

 ジーンズ生地のショートパンツと膝の上まで覆うレザーブーツを履く。腰の後ろにナイフを差し、成長期にしてはささやかな胸元を覆うレザーアーマーの上からは丈夫な布製のマントローブを羽織る。

 駆け出しでまだレベルは低いが彼女は魔法を操る魔導師であり、傷を癒すヒーリングを覚えている。

 魔法を使えるかどうかは産まれた時の資質によって決まり、彼女にはその素質があったのだ。

 そして素質があったからこそ冒険者になる決意を決めた訳だが、彼女の覚えている魔法は未だこれだけ。

 いくら素質があってもバンバン魔法を覚えて使える訳ではない。

 魔法は大別して、ダメージを与える攻撃魔法、傷を癒したり毒や麻痺などの状態異常と呼ばれるものを正常に戻す回復魔法、身体能力を上昇させたり武器や防具に魔力を注いで強化する付与魔法の3種類ある。

 本来、素質によって決まる魔法の種類は1種類だが、セフィーは回復魔法と付与魔法の両方の素質を持った特殊なものだった。

 小さい頃はその特別な素質のおかげで神童などと呼ばれていたが、素質が2つもあるおかげで各々の素質はそれぞれ半分ずつに分かれてしまい、どちらも中途半端という残念な結果になってしまったのだ。

 本来ヒーリングが使えるくらいのレベルであれば、筋力を増強出来る付与魔法のエンチャントパワーも使う事が出来るのに彼女はまだ使えないし、ヒーリングも回復魔法の素質を持った魔導師ならば10歳になる前には使いこなせるというのに、彼女がヒーリングでちゃんと傷を癒せるようになったのは13歳になってからだ。

 それでも冒険者になる事を諦めきれなかった彼女は、魔法もそこそこに体を鍛える事でなんとか冒険者になる事が出来たのだ。

 といっても冒険者支援協会が年6回開催する冒険者資格認定試験に7回目にしてようやく受かった落ちこぼれ組だったりするが。

 そして数日前に晴れて認定試験に合格する事が出来た彼女は今、ここに至っていた。


 顔を洗い、最後に備え付けの鏡を覗き込んで、肩まである赤が映える自身の髪に寝癖が付いていないかチェックした後、首の後ろで纏める。

 鏡で全身を確認した後、セフィーは部屋を出る。

 廊下に出るとパンの香ばしい匂いが一層香ってくる。

 この宿は2階が個室で1階が酒場兼食堂となった一般的な宿屋だ。

 初心者冒険者が集まる村という事で宿屋は良心的な値段になっている。とはいえ個室なので若干割高だ。

 だがもしこれが都市部なら素泊まりだけでもこの宿の5倍くらいの値段になるだろう。

 階段を下りていくとまだ朝にも関わらず多くの人が集まっている。

 その多くが彼女と同じ初心者冒険者であるが、その数はどう見てもこの宿に泊まれる人数をオーバーしている。

 どうやら1つのテーブルを多くの冒険者が取り囲んでいるようだ。


「ねぇねぇ、一体なんの騒ぎ?」


 前に居る戦士らしき少年に声を掛ける。

 少年戦士は興奮気味にセフィーに答えてくれる。


「絶望の底へ向かう途中のパーティーが昨晩この宿に泊ったんだ!それで皆で見に来たんだよ!」

「憧れの剣皇様もいらっしゃるみたいなの!」


 少年戦士の隣に居た剣士風の少女も興奮を抑えられない様子で答える。

 絶望の底とはこの世界で最も難関とされる地下ダンジョンだ。

 最低でも40レベル以上無ければ、ダンジョンに入る事さえ許されず、たった1層下に降りるだけでモンスターのレベルが5レベル分は跳ね上がるという。

 絶望の底は森を抜けた先にある為、この村には時々、そういうパーティーが寄る事があるのだ。

 つまり今、この人垣の奥には40レベル以上の世界最高クラスの冒険者達が居るという事だ。

 先程の少女剣士の話を信じるなら、現冒険者の中で最高のレベル53に到達し、剣皇の称号を持つ剣士であるサリエルード=ベルグレオが居るという。

 各地の冒険者支援協会には彼の肖像画が飾られてある程の有名人であり、20年以上冒険者を続けているベテランでもある。

 彼は龍と人との間に生まれたとも言われている龍人族で巨大な尻尾と耳の上辺りに真っ直ぐ伸びた角があるのが特徴で、体力や筋力はセフィーのような人族より遥かに高く、頑丈。正しく冒険者になる為に生まれてきたような種族だ。

 冒険者を目指す者には彼に憧れ、彼を目標とする者も多いらしい。

 駆け出し冒険者にとっては雲の上の存在であり、憧れの存在であり、自分もそうなりたいと思う人物達がすぐ近くに居るのだから、一目だけでも拝んでおきたいと思うのは当然だった。

 その思いはセフィーも同じ。


「ごめん、ちょっと通してね~」


 人垣に割って入り、無理矢理最前列へと向かう。

 小柄な体格が幸いして、徐々に前へ前へと進んでいく。

 しかし前列に進むに連れて人垣の密度は濃くなっていく。


「そんなに押すなっての」

「おい!ガキが割り込んでくるんじゃねぇ!!」

「そっちこそ押すんじゃねぇよ!」

「痛ぇな!足踏みやがったなっ!!」


 セフィーと同じように誰かが割り込んで来たのだろう。

 髭面の大男が誰かと言い争っているのが見える。

 モンスターと戦う事の多い冒険者には血気盛んな荒くれ者も多い。

 そんな人達が1ヶ所の場所に多数集まっているのだ。

 一悶着あってもおかしくは無い。


(乱闘騒ぎになる前に離れよっと)


 セフィーはそう考えながら髭面の男の声から離れる様に動く。だがどうやらそれがいけなかったらしい。


「こら、そこのテメェ!逃げんじゃねぇよ!!」

「ふぇっ?わ、私?!」


 これだけの人数の中だ。髭面の男も正確に誰が割り込んで来たのかは分かっていなかったし、答えた方も誰に押されて、誰に対して文句を言っているのか分かっているわけでもない。

 恐らく遠ざかろうとするセフィーの背中が偶然、目に留まったのだろう。

 髭面の男は半ば八つ当たり気味にセフィーの背中に手を伸ばし、そのマントローブの上から肩を掴む。


「えっ、ちょ、ちょっと離してよ!!」

「離すかよ!!ちゃんと謝るまで許さねぇからな!!」

「私は何もしていないじゃない。濡れ衣も良い所だ!!」

「下手な嘘を吐くんじゃねぇよ!!!」


 既に頭に血が上っている髭面の男の耳にはセフィーの言葉は届いていない。

 それどころか完全に犯人扱いだ。

 あれ程、人で混雑していたにもかかわらず、いつの間にか2人の周囲だけポッカリと穴が開いたように空間が出来る。

 何事かと周囲の冒険者が2人の様子に視線を向けている。


「へっ、ガキだが、一応は女みてぇだな。そうだな、今日1日俺に付き合ってくれたら許してやるぜ」

「ガキじゃないわよ!私は16よ!それになんで私があんたなんかに許しを請う必要があるのっ!!」


 魔法の素質と同じく、セフィーの身体の成長は同年代に比べてほんの少しだけ遅い。

 冒険者になる為に鍛えたとはいえ、小柄で華奢な身体つき。

 腕の太さなど、彼女を捕まえた髭面の男の半分も無い。

 一応、胸の膨らみはあるが、それも半分くらいはレザーアーマーの胸部を盛って大きく見せているだけだったりする。


「ちっ、こっちは穏便に済ませようとしてんのに反省の色が無いようだな。ちと冒険者の心得って奴を教えてやる必要がありそうだなあっ!」


 髭面の男が掴んでいる方とは逆の腕を振り上げ、拳を握る。

 男はパワータイプの戦士か何かなのだろう。

 セフィーが必死にもがいても男の腕は振り解けない。その上、振り上げられた拳は華奢な彼女にとっては鈍器にも勝るとも劣らない凶器となるだろう。

 拳が勢い良く振り下ろされる。

 逃げられないこの状態では鼻の骨くらいは簡単に折れてしまうだろう。

 セフィーは観念して目を瞑る。

 だが、中々衝撃が彼女に襲い掛からない。


「レディに手を上げるなど近頃の冒険者というのは品が落ちたものだな」


 落ち着いたその声にセフィーは恐る恐る瞳を開けていく。

 すぐ目の前に髭面の男の拳がある。

 だがその拳は完全に動きを止めている。いやプルプルと小刻みに震えていた。

 更に視線を先に向けると髭面の男が大口を開けて苦悶の表情を浮かべている。その頭が後ろから誰かに鷲掴みにされているのが分かった。

 どうやらそのおかげで男の拳は彼女まで届かなかったようだ。


「おお!!さすが黒曜姫こくようき様だ!!」


 誰かの声にセフィーは視線を鷲掴みにしている手の方へと向ける。

 男の表情から鷲掴みにした手には恐ろしい程の力が込められているのだろう。にもかかわらずその腕はまるで白魚のように白く細い。

 更に視線を動かすと腕と同じく、まるでどこかのお姫様のように色白の細面が見える。綺麗な切れ長の黒い瞳に、艶やかで流麗な漆黒の長い髪が合わさり、正しく黒曜の姫に相応しい容姿と言えた。

 いくら数日前に冒険者になったばかりのセフィーでも彼女の事は知っていた。

 冒険者資格試験でも、その名を答えろという設問があるくらいの有名人であり、剣皇と並び称される冒険者。

 黒曜姫ユイリース。レベル46。この世界で最も多い人族の女性である。

 世界で数える程しか居ないレベル40オーバーの冒険者であり、女性の中では最高レベル。

 自身の身長程もある大剣でまるで舞うように戦う姿に魅了された冒険者は多く、その美貌から男女問わず人気がある。

 一時期は彼女のおかげで大剣使いが町に溢れ、どこの武器屋も大剣が品切れ状態となった事もあるという。


「いい加減、その汚らわしい手を離さないとあなたの頭が潰れるよ」

「…は……あが……あ………」


 物凄い力で締め付けられているせいでまともに返事の出来ない髭面の男だがユリイースの言葉は理解出来たようだ。

 セフィーの肩を掴んでいた手の力が緩み、彼女はヘナヘナとその場に座り込んでしまう。

 それを確認すると同時にユリイースも手の力を緩める。

 セフィーと同じように腰を抜かしたように床にへたり込む髭面の男だったが、ユリイースが一瞥をくれると「ひぃっ」と情けない声を上げて仲間に引き摺られて逃げ去っていった。


「この人垣のせいでここまで来るのに手間取ったが怪我は無いか?」

「えっ、あ…は、ふぁい。その…あ、ありがとうござりまする」


 その言葉に喧騒を聞き付けた彼女がわざわざ助ける為にここまで来たのだと知る。

 接する事など絶対にあり得ないと思っていた有名人に助けられ、更には声を掛けられて、セフィーは緊張のあまり口調がおかしくなる。

 僅かに口の端に笑みを浮かべながらユリイースが手を差し伸べる。

 セフィーはおかしな口調を笑われた事に赤面しつつもその手を取るべきかどうか躊躇う。

 しかし彼女の戸惑いなど意に介さず、ユリイースは自らその手を掴み、セフィーを立ち上がらせる。


「えっ、あっ、そ、その…………」


 剣を扱っているとは思えない程、柔らかな掌の感触に同性ながらドキドキする。

 色んな意味で顔を真っ赤にさせたセフィーは脳が茹で上がって思考は真っ白になり、何を言いたいのか纏まらず言葉に出来ない。


「最近はああいう手合いが多い。以後気を付けるように」


 ユリイースはそれだけ言うと自らの仲間のいるテーブルへと戻って行く。


「は、はい。あ、あの!地獄の底の攻略!が、頑張ってくりゃしゃいい…」


 セフィーはその背中に向けてエールを送るが、最後に噛んでしまい再び赤面する。

 ユリイースはその言葉に片手を上げて応える。

 だが背中を向けているので分からないがもう片方の手を口元に当てているので、どうやら笑っているのは間違いなさそうだった。


「…ううぅ…最悪……私のバカ~………」


 ユリイースの背中が人垣に埋もれて見えなくなると、セフィーは真っ赤になった顔を両手で隠し、自身を責める。

 いくら緊張してたとはいえ、流石にこれは恥ずかしい。

 しかもユリイースが居たという事もあり、周囲からかなり注目を集めている。

 セフィーの言葉や態度に笑う者。極度に緊張していたのだから仕方が無いと同情する者。黒曜姫に声を掛けられた事を羨む者。

 それら周囲の視線に耐え切れず、セフィーは真っ赤な顔を隠しながらこの場から逃げ出す。

 だが2階の階段を駆け登ろうとした所で声を掛けられて邪魔をされてしまう。


「お~い、セフィーちゃん、どこ行くんだよ。ちょっと待ってよ~」


 そこには冒険者資格認定試験の際に、彼女を気に入ったと言って、済し崩し的にくっついて来た金髪でいかにも軽薄そうな顔をした狩人のミルコと、何度も試験に落ち続けてようやく冒険者になったという同じ境遇だった事で意気投合した、表情を殆ど表に出さない漆黒の全身鎧と黒い大剣を扱う黒髪の女重戦士のマトラの姿があった。

 セフィーは仕方無く足を止める。


「とりあえずマスター!3人分の朝食を頼む。え~っと場所は……」


 ミルコは宿屋の店主にそう告げると、キョロキョロと辺りを見回す。

 剣皇と黒曜姫が居るという事で店内は人は多いが、食事をしている人間は少数なので、それなりにテーブルは空いている。

 マトラが目立ちにくい角の方のテーブルを指差し、それにミルコが頷いてセフィーを連れてその席へと座る。


「うぅう~、あんな恥ずかしい思いして、もう私、お嫁にいけない~~~」

 テーブルに座った途端、セフィーは頭を抱えてテーブルに顔を突っ伏す。


「うん、まぁ、最後に噛んだのはともかく、「ありがとうござりまする」は流石にねぇ。あ、大丈夫。僕はそんなセフィーちゃんでもちゃんと貰ってあげるから」


 ミルコの追い打ちはセフィーの心の傷を更に抉る。


「……例え一生結婚出来なくても、ミルコさんとは絶対にしません……」


 セフィーはそう呟いてから再び自責の念に囚われる。

 マトラはセフィーを慰めるつもりなのか、彼女の手を取り、その無表情な顔を近付ける。


「セフィー……」

「うぅぅ~、マトラさん~~」


 セフィーも手を取ってくれたマトラを潤んだ瞳で見つめ返す。

 マトラはセフィーの手をギュッと掴み、自分の鼻先へと近付ける。

 そしておもむろにその手の匂いを嗅ぎ始める。


「くんくん、こ、これが黒曜姫様の手の香り……ああ、ちょっと舐めさせろ」

「って、いきなり何すんのよっ!!」

「黒曜姫様と喋り、あまつさえ手まで握るなんて羨まし過ぎる。本来ならその手を斬り落として保存しておきたいくらいなのだが、それを諦めるのだ。舐めさせてくれても問題無いだろう」

「問題大有りよっ!!」


 手に舌を這わせようとしてきたマトラから慌てて手を引き離す。

 普段無表情なマトラの頬が珍しく上気している上に饒舌だ。

 伸ばした黒い髪と黒く染められた鎧と大剣から分かる通り、黒曜姫ユリイースはマトラの憧れの的であった。

 本来、彼女の髪の色は茶色なのだが、黒曜姫に少しでも近付けるようにと黒く染めている。ちなみに鎧と大剣が黒いのも同じ理由だったりする。

 憧れを抱いているというより寧ろ崇拝していると言っても過言ではない。

 だが恥ずかしいのかこんなに近くに憧れの存在が居るのに、声を掛ける事はおろか、近付きさえしない。

 遠くから熱い眼差しを送り続けているだけ。

 恐らくユリイースが立ち去った後に彼女が座っていた席を陣取り、温もりや匂いなど残っていないにもかかわらず、それらを妄想して悦に浸るのだろう。

 ここまで来ると崇拝しているというよりも、もう完全に変態の域である。

 ちなみに彼女が冒険者資格認定試験に落ちまくっていたのも、重い全身鎧と扱いきれない大剣を使い続けていたせいだったりする。


「そうだよな~。あの黒曜姫に声を掛けられて手まで握ったんだから最高じゃねぇか。く~っ、俺もあんな美人のお姉さまとあんなことやこんなことしてぇ~!!!」

「そうだぞ。最高に栄誉な事だ。だからとりあえず舐めさせろ!」


 ミルコは妙な事を妄想しているのか「えへへへっ」と薄ら笑いを浮かべ、マトラは鼻息を荒くしてセフィーの手に熱い視線を送り続ける。


(うぇ~ん、なんでこんな人達とパーティーなんか組んじゃったんだろう~!!)


 セフィーは心の中で泣き叫ぶのであった。

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