第三十二話 裏切り者
「おそらくは、中から
アズニア
「ふむ……たった
ナウロラは、
「ねぇ、キリー。
「ふむ……そうですか?国王の
「いいのよ!ついてきて!」
ナウロラは地下牢へ向かって歩き出した。才蔵も
「うん……なんだか
「だって看守の倒れていた
「幸村の
「あ、そうそう。それも気になるのよ。あの幸村と
(あ……しまった。あの
才蔵は思った。
だが
(オレが話していたのが、オヤカタ様たちだとはわかっていないはずだとは思うが……ここはやり過ごすしかあるまい)
才蔵は思うと、涼しく言う。
「さて……どうですかな。アズニア
「うん……そうかな……もう少し前だったきもするけど……。それはともかく、この
才蔵は、ヒヤリとする。
「……そうですか?ナウロラ様、考え過ぎでは?」
「そうかしら?」
ナウロラは、才蔵の目をじっと見た。才蔵は
「私にも
「……そうとは決めつけられないわ。何かわかったら私に知らせて。
「わかりました。すぐお知らせします。さぁ、ここは寒い。お体にさわります。
才蔵は、ナウロラを急かすと
その才蔵とナウロラの
才蔵はアズニア
「キリー様でございますね」
と才蔵の
振り返ると、そこには痩せたネズミのような男が一人、藍色の空を
「君は誰か?」
「私はアズニア城の地下牢の看守をしておるマガトという者。お
「ほぉ、看守をされているのかね。で、私に何かご用か?」
「えぇ……折り入ってお話が。ここでは
才蔵は、なにやら嫌なものを感じた。
「うむ、とはいえ急いでおる。またの
立ち去ろうとした才蔵の
「今、お
マガトは
「……わかった。まいろう」
才蔵はマガトとともに城の裏手へと向かった。
城の裏手には、
「マガトと言ったな……
「いえね……私、
不気味に笑った。
(殺るか)
才蔵の目に冷たい
「おっと!待った待った!あんたの腕は昨日見させてもらった。オレはあいつらみたいになるのは
才蔵、マガトを鋭く
「キリー……別に、あんたの悪いようにしようってんじゃないんだ。あんたはナウロラさまのお気に入りで、いつのまにか現れて城内で良いポジションを
マガトはニヤニヤ笑って言う。
「これはただの
マガトは、才蔵の顔を覗き込むように見た。ネズミのようだ。
(
才蔵は、
才蔵は
「
マガトに渡した。マガトは中を
「お!さすが
マガトは言うと
「また頼むぜ、キリー」
マガトは、にやりと笑った。
「くそ、しくじった!うかつだった!」
才蔵は、
その同時刻───
「
幸村と佐助は、
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