第9話 きっかけとキャベツ選定

 ロサリアと出会ってから3日が過ぎた。

 この間に来店したのは常連客ばかりで、新たに成仏した亡霊はいなかった。


 それでも平常運転を続ける料亭「みとり」。

 料理補助を重ねることで、ハルトは少しずつ店の雰囲気になじんできていた。

 しかし、一つだけ懸念があった。


 ロサリアの態度だ。

 数日前の一件により、店から出て行けとは言わなくなった。

 しかし、まだまだハルトを警戒しているようだ。

 店の私用スペースで鉢合わせても、露骨に避けてくる。


「よぉ、ロサリア。今日もよろしくな」


 このように挨拶をしたとしても――


「ええ、せいぜい頑張りなさい」


 ロサリアはそれだけ言って部屋を後にしてしまう。

 コミュニケーションの欠片もない。

 このままでは業務中に行き違いが発生することは確実。

 ハルトの第二の料理人生活は、いきなり暗礁に乗り上げていた。


「ほんと……どうしたもんか」


 穏やかな昼下がり。

 料亭みとりの二階にある部屋から、ハルトは外を見ていた。

 現実逃避ではないが、こうして景色を眺めていると気が休まってくる。

 活気に満ちた街は、いやでもハルトを元気づけてくれた。


 海洋都市・エンテラル。

 それがこの都市の名前だ。

 この大陸を統一した王国の第4都市。


 交易の盛んな宿場町が多く点在しているのが特徴。

 海では新鮮な食材を採ることができ、少し北に行けば山林もある。

 まさに物流の要といえる都市だ。

 そのため民や騎士、貴族といった住人のみならず、物見遊山の旅人が多く来訪するらしい。


 そして料亭みとりは、そんあ街の裏路地の一角にひっそりと立っている。


 元いた日本とはかけ離れた世界。

 そんな場所でも心休まる日常は存在するのだと、ハルトはしみじみ感じていた。

 悟りに近い境地に浸っていると、いきなり背後から声をかけられる。


「おや、なにかお困りのようだね、ハルトくん」

「……どうも、ミトさん。おはようございます」


 深夜に開店するため、相変わらず昼頃まで寝てしまう。

 それなのにミトはいつでも早起きして何かをしていた。

 体力の有り余る年頃のハルトから見ても、信じられないバイタリティである。


「悩みがある時はおいしいものを食べるのが一番さ。ほら――」


 ここで、ミトがすっと皿を差し出してくる。

 そこには見覚えのある料理が乗っていた。

 トマトケチャップが絡められたスパゲティ。

 そこに厚切りのベーコン、玉ねぎ、ピーマンなどが乗っている。


「おお、これは――」


 ナポリタン。

 ハルトがそう言おうとした時だった。


「そう、”うどん”さ! 我ながら良い出来だと思うんだ」

「う、うど……?」

「う・ど・ん。じゃぱねぜでは人気なんだろう?」


 ミトが『マジで言ってんのか』という顔で聞いてくる。

 それに対し、ハルトも『マジで言ってんのか』という顔を返す。

 どうやら彼女は、これを日本の伝統料理と勘違いしているらしい。

 ハルトは盛大な溜息を吐いて誤りを指摘する。


「それはナポリタンです。うどんじゃないし、そもそも日本食じゃありません」

「な、なんと! 料理目録に書いてあったのに……」


 ミトはうなだれながら料理本を撫でる。

 前々から分かっていたが、その目録とやらは色々と間違っている。

一体誰が間違った知識を広めてしまったのか。


「そ、そんな……それじゃあ僕は一生、真のうどんを作れないことに……」


 なぜか心に深い傷を負っているミトだった。

 その反応が面白いため苦笑しながらも、ハルトは優しく切り出した。


「よかったら今度教えますよ、簡単ですから」

「やった! さすがハルトくん」


 聞くや否や、ミトは小躍りして喜んでいた。

 本当に見ていて飽きの来ない人である。

 ハルトはひとまず出されたナポリタンを完食。


 そして少し食休みしようと思った刹那、ミトが尋ねてきた。


「それで、何を悩んでいたんだい?」


 どうやら本題に入りたがっていたらしい。

 それほど切羽詰まっているように見えたのだろうか。

 自分の認識とのギャップを感じながらも、ハルトは正直に告げた。


「ロサリアのことですよ」

「かわいいよね」

「まぁ……って、違います!」


 いきなりとんでもない方向へ話を捻じ曲げてきた。

 隙あらばハルトをからかおうとしてくる。

 悪い癖だなぁ、とハルトは独りごちた。


「多分知ってると思いますけど。同じ店で働いてるのに、ロサリアがまともに反応してくれないんですよ」

「んー、サリーは男が大の苦手だからね」


 それは前に聞いた。

 しかし、改めてこの数日で実感したのだ。

 彼女は明らかに、男に対して偏見を持っている。


 ただその一方で業務は完璧にこなしているのだ。

 客に向けるロサリアの笑顔を思い出しながら、ハルトは溜息を吐く。


「あんなに接客態度はいいのに……」

「あれは仮面を被ってるだけだよ。僕みたいにね」


 ミトはここでスチャっと仮面を上げて見せた。

 彼女の言う通り、ロサリアの接客がいいのは、それ用の顔を作っているからだろう。

 だからこそ、怜悧な表情を浮かべる少女の顔に寒気が走るのだ。


「逆に言えば、俺には素を見せていると?」

「そうそう。ハルトくんは貴重な存在なんだよ」


 単にうっぷんをぶつけられているような気もする。

 まあ、ハルトの雇用自体に納得していない様子だったのだ。

 恐らく誰が相手でも、男である限り同僚になるのを拒んでいただろう・


「ちなみにあの男嫌いって……何があったんですか?」

「んー、僕の口からは言いにくいかな」


 ミトは頬をかきながら告げてくる。

 まあ、その反応をされるのは予想していた。

 先日もミトのことを聞き出そうとすると、彼女は露骨に話を逸らしたのだ。

 この際なので、ミトの方針を確認しておく。


「ミトさんって、基本人のこと喋らないですよね」

「ああ。本人が言いたくないことを、他人の僕が言うわけにはいかないからね」


 ミステリアスな見た目通り、口が堅いということか。

 ハルトが微妙な表情を浮かべると、ミトは苦笑した。


「君だって、知った風な口で自分の過去を話されたくないだろう?」

「そりゃ、まあ……」


 そもそも、自分でさえ断片的なことしか覚えていないが。

 ただ、勝手に過去を他人に話されると考えたら怖気が走る。

 それを避けるために、ミトは配慮しているのだろう。


「でも、店員の交流がないのは由々しき事態だね。まかり間違って開店中に喧嘩でも起きようものなら、店への信頼が揺らいでしまう」

「まあ、よほどのことがない限り俺が我慢しますけどね」


 客の前で問題行動を起こすわけにはいかない。

 ロサリアが何か言ってきても、可能な限り受け流す所存である。

 しかし、ミトはここでニッと微笑んだ。

 なにかよからぬことを思いついたようだ。


「よし、この僕が一肌脱いであげよう。乞うご期待!」

「ええ、期待せずに待っておきます」

「ハルト君のいけず!」


 軽いノリを向けてくるが、解決のために力は貸してくれるようだ。

 果たしてどんな思いつきが炸裂するのか。

 不安に感じながらも、ハルトは彼女の介入に内心で感謝していたのだった。




     ◆◆◆




「買い出し、ですか?」

「ああ、今夜のメインに使う材料なんだ」


 時は夕暮れ。

 西日が街を照らすころ、三人が居間に集まっていた。


 晴れやかな顔で頼みごとをするミト。

 怪訝な顔で耳を傾けるロサリア。

 ハルトはその横に所在なく立っていた。

 

 ミトからの買い物要請に、ロサリアは戸惑いながら頷く。


「それはいいですけど――」


 ここで、ハルトは横から強烈な視線を感じた。

 そして予想通りの言葉が発せられる。


「なんで、この男と一緒になんですか?」


 ロサリアは明らかに不満そうだ。

 この反応は予想通りだったため、ハルトとしても言うべきことはない。

 不平を告げるロサリアに対し、ミトは自愛の微笑みを返した。


「サリーはこの間、質の悪い野菜を仕入れてきちゃったよね。覚えてる?」

「あ、あれはたまたまで……」

「でも、そのたまたまで料理は台無しになっちゃうんだ」


 和やかな口調だが、ミトの言っていることは重い。

 それが分かっているからか、ロサリアの反論の歯切れが悪くなる。


「ハルト君が野菜に詳しいらしくてね。彼から目利きを学んでほしいんだ」

「えぇ……でも……」


 ロサリアは困惑しながら、ハルトを横目で睨みつける。

 ヘイトが完全にこちらへ向けられたので、ハルトは気が気でない。

 なおも食い下がろうとするロサリアに、ミトはやんわりと最終通告をした。


「うーん。サリーが無理そうなら、これから買い出しはハルト君に頼むことになるかも」

「わ、わかりました! ミトさんがそう言うなら、行ってきます。この男と一緒に!」


 恐るべき反応速度。

 先ほどまでの渋りが嘘のような即答である。

 ロサリアとしても、ミトから仕事を取り上げられるのは何とか避けたいようだ。

 話が通ったところで、ミトは満足そうに頷いた。


「買ってきてほしいのはキャベツとワインだ。ロールキャベツを作るからね」

「任せてください」


 ハルトは頼もしげに承諾した。

 ミトの言っていた一肌脱ぐというのは、この計らいのことなのだろう。

 強制的にペアを組ませて、反応を起こさせようとしている。


 しかし、ミトがしてくれるのは引き合わせるところまでだ。

 ここから先は、自分の力で何とかしないといけない。


 ハルトが覚悟を決めていると、隣からロサリアがジトッとした目を向けてきた。

 それを受け流して、ハルトは高らかに一歩を踏み出す。


「それじゃあ行くぞ」

「……はぁ、もう。足だけは引っ張らないでよ」


 こうして、険悪な二人による初めてのおつかいが幕を開けたのだった。




     ◆◆◆




 日の沈みかかった街は非常に美しい。

 広場にある噴水は夕日の赤を反射し、キラキラと輝いている。

 そこを通過して、二人の男女が商店の並ぶ通りに入っていく。

 幻想的な雰囲気にマッチする構図に見えるが、二人の間には深い溝ができていた。


「距離を取りなさい。最低でも声が聞こえないところまでね」

「それだと一緒に来た意味ないだろ」


 地図を見ながら、目的の通りへ向かうハルト。

 その横で不平を言いながらも随伴するロサリア。

 二人の異様な雰囲気に、街の人も空気を読んで道を開けていた。


 スタスタと歩くロサリアは、髪を払いながら告げてくる。


「私だって、キャベツの品質くらい見抜けるわ。あなたが不要だってことを分からせてあげる」

「おお、期待してるぞ」


 正面から言い返さず、ハルトは快諾した。

 どうやらロサリアは、ハルトに一つも手柄がいかないようにと企んでいるらしい。

 目利きに不安のある彼女に、果たしてそんなことができるのか。

 ハルトは苦笑しつつ、立ち並ぶ商店を眺めていく。


 しばらく歩くと、おあつらえ向きの店を発見した。


「お、あそこに売ってるな」


 店の前に大量の野菜を売りに出している。

 その中にはカゴに入れられたキャベツもあった。


 ただ、品質のばらつきが大きく、サイズもまちまちだった。

 これは目利きのしがいがありそうだ。

 ハルトは親指でキャベツのカゴを示した。


「じゃあ、まずロサリアが選んでみてくれ」

「ふん、見てなさい」


 ロサリアは真剣な表情でキャベツの品定めを始めた。

 穴が開くようにキャベツへ視線を投じている。

 その姿勢からは殺気とも闘志とも取れそうな、裂帛の気合がにじみ出ていた。

 そんな彼女を見て、周囲のひやかし客が退散する始末だ。


 しばらくの鑑定の後、ロサリアは自信に満ちた顔で一つのキャベツを掲げた。


「これが最適ね。表面にハリがあるわ」

「あ、それはダメだ」


 ハルトはすぐにキャベツを奪い取り、丁重にカゴへ戻した。

 とっさのことで、ロサリアは両手を空に掲げたまま硬直していた。

 しかし数秒後、赤面しながら叫んだ。


「ど、どうしてよ!」

「外側の葉が白いのは何枚か剥いた証拠だ。傷んでるのをごまかすのによく使う手だよ」


 ほら、とハルトが芯の周りを見せる。

 よく見れば、確かに何枚かを剥ぎ取った跡があった。

 新鮮さを保っているかのように見せるやり方に、ロサリアは憤然とする。


「……なによそれ、汚いわね」


 店の奥を睨みつけ、ロサリアは再びキャベツの選定作業に戻った。

 ケチのつけようのないキャベツを探そうと躍起になっている。

 そして数十秒後、ロサリアはドヤ顔でキャベツを選び出した。


「じゃあこれね。葉もきれいな緑色よ」

「いや、それもダメ。芯をよく見てみろ」

「え、えぇ!?」


 ハルトの即断に、ロサリアは素で驚いてしまう。

 自分としては最高のものを選んだつもりだったのに。

 そう言いたげな顔をする彼女に、ハルトは軽く解説を返す。


「ひびが入ってるし、少し黒ずんでる。新鮮なものとは言えないな」

「こ、細かいわね……」

「キャベツは鮮度が命だ。大事なことだぞ」


 肉と同じく、野菜は生もの。

 新鮮さが味と食感を大きく決定づける。


 有無を言わさぬ指摘を受けて、ロサリアは反論の術をなくす。

 せめて目利きで反撃してやろうと、キャベツ探しに躍起になっていた。

 その必死な姿に子供らしさを感じ、ハルトは苦笑してしまう。


 姿を見守っていると、ロサリアがニヤリと笑った。

 今度ばかりは先ほどと雰囲気が違う。

 どうやら本当に良いものを掘り当てたようだ。


 印籠を見せつけるかの如き勢いで、彼女はキャベツを差し出してくる。


「これでどうかしら!? まさに最高傑作っ! 実は最初からこれを選ぼうと思ってたのよ」

「…………」


 思うところがあり、ハルトはそれを無言で受け取る。

 そして芯の辺りをまじまじと眺めた。

 鑑定が終わると、ハルトは手短に尋ねる。


「ちなみに選んだ理由は?」

「大きさもいいし、葉は緑だし、芯も白くて綺麗だからよ」

「なるほど」


 確かに、ハルトが今まで指摘した内容はクリアしている。

 表面のツヤも十分。

 だからこそ、これはいけると思ったのだろう。


 ロサリアは勝ち誇ったかのように胸に手を当てる。


「ふふ……私の審美眼にぐうの音も出ないようね」

「あぁ、ちなみにそれは一番ダメな奴だ」

「――は、はぁ!?」



 ロサリアが素っ頓狂な声を上げる。

 ワースト記録を更新したと言われ驚いたのだろう。

 納得いかない顔で食って掛かってきた。


「て、適当言ってるんじゃないでしょうね!」

「よく見てくれ、芯が太くて育ちすぎてるだろ」


 ハルトの指が示す先を見る。

 芯は鮮度良しと言わんばかりに白く輝いていた。


「だから、食べごたえがあっていいんじゃないの?」

「いや、キャベツは育ちすぎると葉が固くなって苦味が出るんだよ。鮮度以前の問題で、味が劣って食えないものになる」


 ハルトの言葉を聞きながら、ロサリアはキャベツの皮を指先でつついた。

 確かに硬くなっていて、弾力以上のものを感じる。

 生で食べるのを想像すると、歯触りもあまりよくなさそうだ。


「め、めんどくさいわね……」


 負けを認め、ロサリアはここで肩を落とした。

 これ以上の最適解を探せる気がしなかったのだろう。

 その横で、ハルトはカゴに盛られたキャベツを少しだけ注視する。


 すると、おもむろに一つのキャベツを掴み上げた。

 それを丹念に確認し、小さく頷く。


「というわけで、買うのはこれな」

「え、そんなにあっさり……」

「慣れれば難しくないよ」

「か、貸してみなさい!」


 信じられないようで、ロサリアは鬼気迫る勢いで品定めした。

 確かに、色もハリも堅さも安定している。

 芯も文句のつけようがない。


 数ある粗悪品の中から一発でこれを選び抜くとは。

 ロサリアはキャベツを抱えながら、悔しげに目を閉じた。


「――わ、私が負けるなんて」

「そんなこの世の終わりみたいな顔をせんでも……」


 味に影響するとはいえ、あくまでもキャベツの選定である。

 買えばリカバリーが効くので、そこまで落ち込むことではない。

 ハルトの慰めを受けて、ロサリアは反発する。


「……た、たまたま詳しくなかっただけなんだから! 私より上だと思わないことね。このキャベツ自慢男!」


 蔑称なのかも怪しい謎の呼称。

 ただ、言われっぱなしもハルトの性に合わない。

 ロサリアが抱えているキャベツとは別に、ハルトはもう一つ掴み上げた。


 それを見て、ロサリアはきょとんとした顔になる。


「なにしてるの?」

「一応、ロサリアが選んだのも買っていこうと思って」


 その瞬間、ロサリアが動いた。

 全力でハルトの手からキャベツを叩き落とそうとする。

 しかしハルト、それを華麗に回避。

 なおも食い下がろうと、ロサリアは腰にしがみつきながら叫んだ。


「……や、やめッ……やめなさい!」

「いや、でも最高傑作なんだろ?」


 その言葉で、ロサリアは先ほど自分の言った言葉を顧みる。

 ドヤ顔で選び取ったのは粗悪なキャベツ。

 それを名付けるは『最高傑作』。

 恥の記憶を思い出し、ロサリアは赤面しながら懇願した。


「わ、私が悪かったから! 目利きがすごいのは分かったから! 置いていきましょ、ね? ハルトさん!」


 恐るべき低姿勢。

 先ほどまでの倨傲さが嘘のようである。

 その瞳には涙さえ浮かんでいた。


 そこまでしてミトに失態を知られたくないのだろうか。

 ハルトも本気ではないので、すぐに粗悪キャベツをカゴに戻す。

 すると安堵したのか、ロサリアは反骨の意志を再燃させた。


「本ッ当、脅すなんて最低ね! キャベツしか取り柄のない料理補助のくせに!」


 その瞬間、ハルトは再びカゴに手を伸ばす。

 そして財布からキャベツ二個分の金を取り出した。

 その意味がロサリアに分からないはずもない。


「ごめんなさい! 嘘です! 生意気なこと言ってすみません! だからホントやめて――」


 ロサリアはすぐさま謝罪モードに入る。

 しかしさすがのハルトも二度目は見逃さない。

 二つのキャベツを手にレジへと向かうのだった。


「すいません、この新鮮キャベツと最高傑作キャベツください」

「やめてぇえええええええええええええええ!」

 

 数分後。

 商店通りから二人の人影が出て行った。

 一人は憔悴した顔の少女。

 もう一人は新鮮なキャベツ一つを抱えた少年だったという――


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