第2話 好きな匂い

私は 鼻がいい。犬 並みだ。





…いや、犬には負ける。







鼻が いい私は、香水が苦手だ。



昔、一度だけ、体に振りかけたら、1週間ぐらい、鼻がマヒした。





でも、いい香りが好きな私は、


SABONの商品を愛用している。




ボディーソープやボディースクラブを使うと、


香水よりも弱く、石鹸よりも強く、

私の体から、ほのかに、そして長く、香ってくれる







私の鼻は、犬並みだ。


いや、犬には、負けるけど…




小さい頃、お姉ちゃんが ふざけて 私の鼻に、

生にんにくを、こすりつけた…




私は、2週間、にんにくの臭いと共存した…






最近では、友達の彼氏の浮気を見事に、

見破ったことがある。



その彼氏は、徹底的に、浮気を隠していた。



探偵や FBI ぐらいじゃなきゃ分からないぐらい…




私、友達、友達の彼氏の3人でいた時だった




最初、気のせいかなって、私は思った


でも……




その彼氏から、知らない女の匂いがした…




それも、服じゃなくて、服の下の肌から…




鼻がいい私は、隣りに座ってるだけで、分かってしまった



友達に そのことを伝え、その友達が、

いろいろ彼氏に探りを入れたら…、



案のじょう……







友達は泣いていた。




私は余計なことをしてしまったようで、落ち込んだ……








街を、歩けば、たくさんの人の匂い、たくさんの香水や化粧品の匂い、



タバコの匂い、排気ガスの匂い…



なんか、少し疲れてしまう





犬は、鼻だけじゃない、耳もいいんだ…


大変だな…、なんて考えながら私は歩いた。




待ち合わせの場所にいると、たくさん、いろいろな匂いの混じった風が吹いた、




その中に、私の大好きな匂いを見つけた…





振り向くと、そこに彼氏がいた





「ごめん、待った?」





「おせーよっ!ばかっ!どんだけ待たせんだよ!」





「なっ……、10分ぐらい 遅れちゃったな…


……ごめんなっ」





「…ごめん、嘘っ。 私も今 来たとこっ」






私は、彼に抱きついた







私に安らぎをくれる


居心地を良くしてくれる


嬉しい気持ちにしてくれる



どんな香水よりも、アロマよりも、私が大好きな香り…






それは、好きな男の匂い





私の大好きな彼氏の匂い

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